５年も経てば人も変わる。 3

不戦勝 ページ29

太宰「おっと、中也。その選択権はAにあると思わないかい？」



中也「なんだと…」



太宰「君か私か。この場で白黒付けてもいいのだけど…」


A「ちょ、太宰…」


中也「上等だ、どっちが強いか…」


A「…中也。」


中也「…あ？」


A「不戦勝で、中也…」


太宰「…Aが言うなら仕方ないね」



A「え、いいの…？」


太宰「否と言った方が良かった？ならそうしたいのだけど…」



A「ありがとう、太宰。」



太宰「いやいや…愛のない関係は嫌なだけだよ」


困惑している中也の手を握り

A「中也…改めて俺から告白するまで待ってて！」


中也「…今じゃだめなのか？」


A「雑にしたくない。大切だから」

俺はAのこの言葉に救われた。

どんなに離れようと
思ってくれていたのだと感じさせてくれる素直なAがすごく愛おしかった


太宰「…中也。」
太宰の声で現実に戻された

太宰「私は諦めた訳じゃないよ？君がAのことを蔑ろにするような事があれば今回のようにAは私が貰うからね？」


中也「あァ？、テメェとはほんとに合わねぇな、この場で決着付けてもいンだぞ」

ビキッ…

と中也のいる地面の周りにヒビが入る

A「はいはい、ストープッ！」


中也「A、邪魔すんな。今度こそあのタコを殺す」


A「殺したら俺の努力が無駄になるよ！」



中也「…ちっ」


太宰「残念。まず、君に私は殺せないけどね」


A「ほら、太宰も煽らない！すぐ挑発に乗るんだから」


中也「なんだと、A！てめぇも…」


A「しっ……なにか聞こえる…」


遠くの方から規則的な機械音が聞こえる。

太宰「こっちからだ…」


と、あるテーブルのテーブルクロスを捲り裏側を見ると爆弾が。


中也「こいつは…もう出回ってないはずの型のはず…」


A「最大質力は？」


中也「2つか…一つでこの部屋を吹き飛ばす位の威力はある」


太宰「この会場内に仕掛けた奴がいる、しかも時限爆弾ではなく手動起爆型…殺したいターゲットがいるのかな」

この会場に来ている奴を殺したいなら中央の置時計に仕掛ければいいのにわざわざ端のテーブルに仕掛けられてきた。

A「でも持ち物検査に引っかかってないってことは、リモコンには見えない改造を施された、起爆スイッチだね」

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