21話 ページ21
A side
私は彼のお願いに困ってしまった。
私は自分の男勝りな喋り方が好きではない。
gr「あぁ、Aは敬語を外すとカッコイイなるんだったな。...そうだ、あれを仕事用にしたらどうだ？」
彼は私から体を名残惜しそうに離すと見つめ合うような形になる。
そして彼は私の考えを見透かしたようにそう言った。
カッコイイ...かは知らないが。
もちろんあの喋り方以外もできる為、彼の提案はありがたかった。
あれ？私、この人の前で敬語外したことあったっけ？
私はそう考えたが、彼なら知っていてもおかしくない、と思った。
『わかった。...そうだ、私グルッペンじゃなくてグルちゃんって呼ぼうかな』
私はそう彼に言う。
gr「それはいいな！......そうだA。実は言わなくてはいけないことがあるんだ」
彼は私の言葉に喜ぶと、数秒間の沈黙の後にそう言った。
彼の表情は真剣で私の背筋も思わず伸びる。
gr「A、あなたは今日をもって総統秘書を辞めてもらう」
彼がそう言った途端目の前が真っ白になった。
しかし私が何かを考える前に彼は、私の顔を両手で包み込んだ。
gr「そして、Aには総統夫人...俺の妻になって欲しい」
彼は私に向かってそう言った。
『総統夫人...？私が？グルちゃんと結婚ってこと？』
私がそう聞くと彼は嬉しそうに微笑んだ。
gr「ああ。俺はAが好きだ。ずっと好きだった。すぐに結婚じゃなくて良い。...付き合って、くれませんか？」
彼はそう言った。
私の答えは...
『もちろん。グルちゃん』
肯定、だ。
私の答えを聞いた彼は、私を再度抱きしめた。
gr「ああ。俺が絶対に守ってやる」
彼はそう言うと私から体を少し離して見つめ合う形になる。
『うん。よろしくね』
私たちはしばらく見つめ合うと引き寄せられるように唇を重ねた。
fin
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作者名：イオ x他1人 | 作成日時：2020年10月9日 17時
