15話 ページ15
A side
コツ、コツ、コツ...コツン
私は足音が聞こえ、重い体を無理やり起こして警戒する。
起きて早々なんなのだ、と思ったが眠ってしまう前のことを思い出した。
あぁ、捕まってしまったのか。
と私は我々国とは違う地下牢でそう思った。
？「あら、起きちゃったの」
足音の正体は、
？「知ってると思うけど、私の名前はマリエッタよ。α国幹部のね」
マリーとして我々国にスパイとしてきていたマリエッタだった。
『私を捕まえてどうするつもりだ？』
私は彼女の挨拶をスルーし、疑問に思ったことを問う。
mr「あらあら、無視なんてひどいじゃないの。...そうねぇ、人質、かしらね。言われなかった？」
私は彼女の答えに気絶する直前のコーザの言葉を思い出した。
“人質になってもらうぜぇ？”
私はそこで理解した。
私が捕まった理由はおそらく秘書である私を返して欲しくば降伏しろ、というものだろう。
私がそれを聞くと、
mr「大体あってるわ」
と言った。
『...卑怯な奴らだな』
私が嘲笑うようにそう言えば、
mr「...だって、私達の国じゃあなた達には敵わないもの。王がバカなの」
と彼女は言った。
彼女は、ちなみに我々国がここへ攻めてきたらあなた、死ぬからね、と笑いながら言うと、そのまま地下牢を出て行った。
私は絶望した。
ああ、ここで死ぬんだなって。
だってただの秘書だから。
誰も助けに来ないでしょう？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 110人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：イオ x他1人 | 作成日時：2020年10月9日 17時
