ある日突然、物語が消えた【呪術廻戦】

8話 ページ9

A side


にこりと笑った目の前の人物に、夜蛾学長は！？と内心思ったのだが、渋谷事変のアレがある。



あれの出来事を上層部が放っておくことはないはずで、もし五条先生がここにいることを鑑みるとしても、夜蛾学長が責任を取って辞めていてもおかしくはない。



兎に角、あの例の面接があるんじゃないかと色々考えていたのがパァだ。



『...はい。夜桜Aです。お世話になります』



「うん。じゃあ早速一つ質問。君はここでどうしたい？」



うん。全然パァじゃなかったね。



正直言って、さっきの衝撃で考えていたことが全て吹っ飛んだのだが？



『えと、家族を守るため、ですかね』



「守る？一体何故？」



そう思いつつも咄嗟にそう答え、ニコ、と笑ってそう聞き返してくる乙骨さんに喉が詰まる。



『私の相棒が狙われているらしいので、その巻き添えを食らって欲しくないな、と』



その動揺がバレないよう、そそくさと背負っていた楽器を前に抱え、ニコリと微笑む。



私がそう言った途端、僅かにだが場の空気が重くなったように感じた。



「ふーん...随分とご立派な答えだね。まぁでもそれじゃあ僕もあの人もこう言うよ。



不合格だ、ってね」



その言葉にドク、と心臓が脈打ち、そしてどこかその言葉に安心感を覚えた自分がいた。



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