26話 ページ27
A side
『はぁ...』
先の知れない展開に思わず溜息が溢れる。
「なんだか申し訳ないわね」
「あぁ。五条先生が持っているならまだしも夜桜サンだったとはな」
呼びやすいように呼んで構わないですよ、なんて2人の会話を聞きながら話しづらそうな伏黒さんにそう言う。
「そう。じゃあAって呼ばせてもらうわ」
『オッケーです。じゃあ私の持ってる呪具に関して、簡単に説明しますね』
すると釘崎さんも反応してくれ、私はその流れのまま、持っている中で出せる情報のみを開示した。
『つまり私の持つヴァイオリンで虎杖悠仁サンと両面宿儺の分離が可能、ということなんですね』
随分と簡単な話だった。
私の持つヴァイオリンの音で魂の分離を行う、と言うのが呪術界の目的。
呪詛師側の目的は不明らしいが、呪術師側の有利を防ぎたいとかなんとか。
「そうよ。今までAの持つ呪具を探していたんだけれど、全然見つからなかったのよ」
防音室にて相棒を持ちながら、弾きたい気持ちを抑え、話を聞く。
「海外にも行ったが、まさか日本にあるとは思わなかった」
「ちょっと。行ったのは私よ?」
「はいはい。...それより夜桜。それ、貸してもらえるか」
『え、』
テンポの良い会話を聞き流していれば聞こえて来た内容に、耳を疑う。
「うーん...流石に無理か」
「物凄い大事そうにしてるものね」
大事そう、じゃなくて、命より大事なんですが。
『ちなみにですけど、さっきの説明だと私の術式が必要になると思うので、貸す必要はないと思います。というか貸しません』
私の中の相棒過激派の声を聞きつつ、何か勘違いをしている2人に補足を付け加える。
「え、そうなのか?」
『はい。はっきり言って、このヴァイオリンの能力とかはまだよく分かってないんです。現状ただ呪力が篭った楽器なので』
「なるほど。あくまでも分離方法は術式なのね」
流石に説明中に弾くわけにはいかず、クロスで楽器を磨きつつ、そう説明をする。
納得する2人を見て、どうやら勘違いは解けたようだ、とわかった私は2人から許可を得て、歓迎も込めて少しの演奏を披露した。
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クロス=楽器を拭く布の事
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イオ(プロフ) - トキさん» 私が元ネタ作品の大ファンなので、知ってる人と出会えて嬉しいです...!ちなみに呪力菓子は魔石と似たような感じですねwちょこちょこ入れていこうと思ってるので見つけてはニヤニヤしててくださいねw (2022年1月10日 0時) (レス) id: d37811f059 (このIDを非表示/違反報告)
トキ(プロフ) - イオさん» ちょうどハマってたので、、、圧縮も保護者同じことしてて草って思ってました (2022年1月10日 0時) (レス) id: 44c169a7de (このIDを非表示/違反報告)
イオ(プロフ) - トキさん» トキさんコメントありがとうございます!もしや呪力を吸収する云々のシーンですね?元ネタよく分かりましたねw (2022年1月5日 22時) (レス) @page38 id: d37811f059 (このIDを非表示/違反報告)
トキ(プロフ) - 読んでたんだけどまって、まって、冬の訪れを早めんのはヤバいってぇ (2022年1月2日 22時) (レス) @page38 id: 44c169a7de (このIDを非表示/違反報告)
イオ(プロフ) - プスメラウィッチさん» プスメラウィッチさんコメントありがとうございます!オチですが、まだ私の中でも決まっていなかったので、五条先生オチにしますね!ありがとうございます! (2021年11月26日 6時) (レス) id: d37811f059 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イオ | 作成日時:2021年10月23日 17時