44話 ページ45
A side
ut「...それでさ、それって誰かを意識しとるん...？」
ようやっと本題に入れた、と言いたげな雰囲気でそう切り出す鬱先生は少し罪悪感を感じているのか、表情が暗い。
『...？』
私は彼の質問と表情共に、まるで理解が出来ず、首を傾げる。
ut「ほらっ、好きな人がその喋り方が好みだから〜とか。影響されたもの？を教えてくれたらなぁ〜って思ってん」
人差し指をピンと立て、少し慌てた様にそう言う鬱先生に、どうして焦っているのだろう？と疑問が浮かぶ。
しかし、すぐに脳は彼からの質問の返答を考えることにシフトし、う〜ん、と唸りが思わず溢れる。
するとパッと頭に浮かんだ人物がいた。
『...あぁ、ぺ神かもしれないです』
私が思い浮かんだものをそのままに伝えれば、ぺ神？と不思議そうな声で聞き返す鬱先生。
『はい。彼、まぁ...男色じゃないですか』
そんな彼に頷き、発言の内容の気まずさに、ぽりぽり、と頬をかく。
ut「せやねぇ」
すると彼もまた苦笑し、同調してくれる。
『なんで、女の人苦手なのかなぁ〜って思った時があったんです。それからだと...思います。男っぽくいようかな、って思ったのは』
もうぼんやりとしか思い出せない子供の頃の記憶を頼りにそう答え、満足頂けましたか？と彼に視線を向ける。
ut「成る程ね...話してくれてありがとぉな。手当てもありがとさん。こりゃ早く治りそうやわぁ！」
すると鬱先生はにこっと優しく微笑むと、布団の中から手を伸ばし、頭を撫でて来ようとする。
しかし私はこれ以上動いたらよくない、と思い、
『はい。じゃあ寝てください』
と言いながら、パシッと彼の手を優しく掴む。
ut「う...ハイ。
...まぁ、その様子やと大丈夫そうみたいやね」
すると素直に諦めた彼だが、ぱちっと目があった時、微笑みと同時にそう言われ、カッと顔に熱が集まる気がした。
『...おやすみなさい』
照れ隠しにはなるが、そう言いながらキッと彼を睨めば、
ut「んふ、おやすみ〜...」
とまるで怖がった様子も見せずに布団に潜り込んでしまった。
私の脳内では鬱先生の言葉が反芻し、恥ずかしさ故に心臓の音がやけに大きく聞こえた。
認めた方が、良いのかな...
.
イオです。昨日入れた宣伝が何故かなくなったのでここに。
【kn】狂犬チワワの後輩兼世話係【君に恋する】
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イオ(プロフ) - はーなーさん» はーなーさんコメントありがとうございます！すみません。こちらの不手際ですね...すぐにフォロリク通しますね！ (2021年5月26日 18時) (
レス) id: d37811f059 (このIDを非表示/違反報告)
はーなー - 2コメ！初コメ失礼します。あのぉ…Twitterの鍵垢の方、フォローさせて頂きたいのですが… (2021年5月26日 17時) (レス) id: cc35c4fdc3 (このIDを非表示/違反報告)
イオ(プロフ) - 雨音さん» 雨音さんコメントありがとうございます！更新頑張りますね！ (2021年5月18日 13時) (レス) id: d37811f059 (このIDを非表示/違反報告)
雨音 - よっしゃ！！1コメ！！新作楽しみにしてました！これからも応援してます！頑張ってください！ (2021年5月15日 19時) (レス) id: 13ab585311 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イオ x他1人 | 作成日時：2021年3月15日 17時
