38話 ページ39
A side
「今日新しい幹部が入るらしいぜ」
「誰なんだろうな」
「ん？あれって...女じゃね？」
「ほんとだ。総統閣下は何を考えていらっしゃるんだ？」
「はぁ...しかもあいつ義足じゃね？絶対弱いじゃん」
ざわざわ、ざわざわ、と兵士達の声が演説台に近づくほど聞こえ、私の精神を蝕んでいく。
その話の内容こそごもっとものように聞こえるが、元々の私の部下や先輩達、知り合い達は顔を歪ませ、不機嫌を体現している。
gr「諸君。よく集まってくれた。今回は予告でもあったように、新しい幹部の紹介だ。
新しく軍医となる、Aだ」
そんな声を無視し、演説台に上った総統閣下は、マイクや拡声器をなしに声が響き、自然と静まり返る。
総統閣下に呼ばれ、カツ、カツと靴音を立てて階段を上る。
『ご紹介に預かりました、Aです。この度軍医になることとなりました。宜しくお願い致します』
そう言い、深々と礼をする。
すると至る所から批判の声が聞こえ、誰も止めようとしないのを良いことに、どんどんとその声は大きなものとなっていく。
その時、ふと横から視線を感じた。
gr「.........」
視線の正体は総統閣下で、その時私は弾かれるように、ダンッ！と一歩踏み出した。
『......私は戦う。お前らも戦っている。
女だからなんだ。義足だからなんだ！
男なのがそんなに偉いか？
怪我がないことがそんなに偉いか？
もしかしたらそうなのかもしれない。
だがな、私はそういうのが大っ嫌いだ。
女という括りで私を見るな！！
私はれっきとした戦う人間だ！！
怪我をしたから戦えない？
いいや、戦えるさ。
私は戦場を医療へと移し、戦い続ける。
何かあったら私のところに来ると良い。
なんでも相談に乗ってやる』
そう言い切った私は、兵士達に向かって挑発的な笑みを向け、演説台から降りた。
gr「やるじゃないか。良い演説だった」
幹部様方がいる場所に戻れば、笑顔で出迎えられ、総統閣下からそう言われ、私は笑顔で答えた。
『当たり前じゃないですか。だって私は我々国軍の軍医ですよ？』
こうして、赤い葉が散る頃、私の軍医としての生活が始まった。
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イオ(プロフ) - はーなーさん» はーなーさんコメントありがとうございます！すみません。こちらの不手際ですね...すぐにフォロリク通しますね！ (2021年5月26日 18時) (
レス) id: d37811f059 (このIDを非表示/違反報告)
はーなー - 2コメ！初コメ失礼します。あのぉ…Twitterの鍵垢の方、フォローさせて頂きたいのですが… (2021年5月26日 17時) (レス) id: cc35c4fdc3 (このIDを非表示/違反報告)
イオ(プロフ) - 雨音さん» 雨音さんコメントありがとうございます！更新頑張りますね！ (2021年5月18日 13時) (レス) id: d37811f059 (このIDを非表示/違反報告)
雨音 - よっしゃ！！1コメ！！新作楽しみにしてました！これからも応援してます！頑張ってください！ (2021年5月15日 19時) (レス) id: 13ab585311 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イオ x他1人 | 作成日時：2021年3月15日 17時
