35話 ページ36
sn side
sn「確かにな。あ、そういえば、両親が死んでしもうたんは知ってるんやけど、あの街がどうなったかは知らんねん」
グルッペンの言葉に相槌を打ち、彼に知っとる？と聞く。
gr「ん？それなら○×地区だろう？この前その国から奪い取ったゾ！」
するとグルッペンはさも当たり前かにように言い、あそこはもう我々の管轄下にあるッ！と興奮した様子でグッと拳を握っている。
しかし俺は、聞いた事もない領土拡張の話に、
sn「はぁ！？いつ！？」
とグルッペンに詰め寄る。
gr「此の間の外交で、だゾ！」
グルッペンに詰め寄った拍子にベッドに手をついたため、ギシ、とスプリングの音が鳴る。
その時に、俺が所謂襲う体勢になっているにも関わらず、その時にこの前食べた毒入りケーキも貰ったゾ！とハイテンションなグルッペン。
その言葉に俺は更に嫌な予感が募る。
確かあの時の外交に、トントンは参加してんかったはずや...！
sn「じゃ、じゃあトントンには...？」
間違いであってくれ...！とグルッペンにそう問うも、
gr「あ。い、言ってないゾ...」
と、事の重大さに気がついたのか、表情を強張らせてそう呟くように言うグルッペン。
tn「グルさ〜ん？」
そして医務室の外から聞こえるトントンの声。
sn「じゃあ、俺は自室に帰るで！達者でな、グルッペン！」
あ、やばい怒っとる、とトントンの声色で判断した俺は、慌ててベッドから降り、おいっ！と引き留めようとするグルッペンにそう言い捨て、
sn「あ、あの地区のことに関しては礼を言うわ。ケーキでも何でも奢ったる」
と、雑面を捲り、ふんわりとグルッペンを油断させるような笑みを浮かべる。
gr「ぺ、ぺ神...！」
すると案の定感激したような表情で、俺を見上げるグルッペン。
そんなグルッペンに、俺は雑面から手を離し、にやりと笑う。
sn「その代わり今はコッテリと怒られとき！じゃあね！僕帰る〜！」
アディオス！グルッペン！と言わんばかりに手を振り、トントンが入ってきた入り口とは別の扉から医務室を出る。
gr「ぺ神！？
tn「おーいグルさーん？俺が質問しに来たらなんか聞き捨てならんことが聞こえたんすけどぉ〜？」
ってトントンサンじゃないすか〜...」
バタン...と扉を閉じ、後ろから聞こえてくる会話に、ふふっ、と笑みが溢れる。
sn「...ほんまありがとな、グルッペン」
俺達を見つけてくれて。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 93人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
イオ(プロフ) - はーなーさん» はーなーさんコメントありがとうございます！すみません。こちらの不手際ですね...すぐにフォロリク通しますね！ (2021年5月26日 18時) (
レス) id: d37811f059 (このIDを非表示/違反報告)
はーなー - 2コメ！初コメ失礼します。あのぉ…Twitterの鍵垢の方、フォローさせて頂きたいのですが… (2021年5月26日 17時) (レス) id: cc35c4fdc3 (このIDを非表示/違反報告)
イオ(プロフ) - 雨音さん» 雨音さんコメントありがとうございます！更新頑張りますね！ (2021年5月18日 13時) (レス) id: d37811f059 (このIDを非表示/違反報告)
雨音 - よっしゃ！！1コメ！！新作楽しみにしてました！これからも応援してます！頑張ってください！ (2021年5月15日 19時) (レス) id: 13ab585311 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：イオ x他1人 | 作成日時：2021年3月15日 17時
