28話 ページ29
A side
『歩けん......』
現在義足を使用した歩行の訓練中なのだが、簡単に通常通り歩けるかと思いきや、そんな甘いものじゃなかった。
sn「はい、立って？ほら、こんなんやと歩けんようになれんで？」
パンパン、と手を叩き、ニッコリ笑顔でそう言うスパルタなぺ神は、今だけ鬼のように感じる。
『な、なぁ、ぺ神。休憩しても良いか...？』
医務室のリハビリスペースの端のベッドから端の壁まで歩くという簡単なものだが、かなり疲れるため、部屋の端の壁に向かおうとするぺ神の服をくいっと引っ張り、引き止める。
sn「うーん...ええよ。でも10分な？」
すると私の言葉にぺ神はそう言い、ソファにぐったりと寝転ぶ私の頭を持ち上げ、ぺ神の膝の上に乗せられる。
『はーい...』
顔の左半分に感じる温もりと、相変わらず日当たりのいい医務室。
窓から差し込む陽光は私を暖め、夢の世界へと導く。
10分と言われたそれも忘れ、私の意識はだんだんと微睡んでいった。
sn side
『はーい...』
あ、これ起きんわ。
そう悟ったのはAの返事を聞いた時だった。
すぅ、と寝息を立てて眠るAは、いつもの男勝りな喋り方や態度からはかけ離れた、年相応の女の子で。
sn「かわええ...」
思わず口をついて出た言葉に、慌てて口元をを手の甲で覆う。
あかん。にやけが治らん...！
内心荒ぶる俺を置いて、窓から差し込む暖かい光はAを照らし、白い肌がキラキラと光を反射し、視界が淡く霞む。
少し開いた窓から柔らかな風がそよそよと吹き、ふわっとAの髪を靡かせる。
俺の膝で眠る、風で靡くAの髪に思わず触れ、引くにも引けず、そのまま頭を撫でた。
sn「こりゃあやっぱり10分休憩どころで済まへんなぁ...」
外でぱたぱたと飛び交う蝶達を眺め、俺は日が地平線に沈む頃までAの頭をただ、撫で続けた。
あ、今日の仕事全然終わってへん気がする...やば。
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イオ(プロフ) - はーなーさん» はーなーさんコメントありがとうございます！すみません。こちらの不手際ですね...すぐにフォロリク通しますね！ (2021年5月26日 18時) (
レス) id: d37811f059 (このIDを非表示/違反報告)
はーなー - 2コメ！初コメ失礼します。あのぉ…Twitterの鍵垢の方、フォローさせて頂きたいのですが… (2021年5月26日 17時) (レス) id: cc35c4fdc3 (このIDを非表示/違反報告)
イオ(プロフ) - 雨音さん» 雨音さんコメントありがとうございます！更新頑張りますね！ (2021年5月18日 13時) (レス) id: d37811f059 (このIDを非表示/違反報告)
雨音 - よっしゃ！！1コメ！！新作楽しみにしてました！これからも応援してます！頑張ってください！ (2021年5月15日 19時) (レス) id: 13ab585311 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イオ x他1人 | 作成日時：2021年3月15日 17時
