16話 ページ17
A side
em「...成る程。軍医になるとは聞いていましたが、今は研修期間、と」
図書室に来た理由をエーミール様に聞かれ、伝えれば、まだ詳細は伝わっていなかったようで、そう言って納得していた。
『はい。それで知識を付けようと此処に』
私の言葉に、わかりました、適当な物を持って来ますね、とエーミール様は人当たりの良い笑みを浮かべ、本棚の奥へと入っていった。
エーミール様が居なくなり、図書室独特の古びた紙とインクの匂いが鼻を掠め、深呼吸をすれば、心地の良い空気が肺を満たす。
物音のしない静かな空間に、久し振りに心の安寧が訪れた気がした。
勿論ぺ神と居る時もだいぶリラックスしている節はあるのだが、やはり1人で居たい、という時もある。
だからこういう時間は意外と好きで、怪我をする前から1人で街に下りて公園で休暇を過ごすこともザラではなかったし。
em「Aさん、Aさん。私なりに見繕ってみたのですが、どうでしょうか？」
どうやら本を探すのが存外楽しかったらしく、うきうき、といった様子で私の目の前の机にずらっと本が並べられた。
その量はとても多く、とても1日で読み終わる量ではなかった。
『す、すごい...これ、全部ですか？』
一冊適当に手に取り、パラパラとページを捲れば、内容の濃い上に、分かりやすいもので、少し見る限り、ここにあるもの全部がそのようだった。
em「いいえ。しんぺいさんがこの間沢山本を持って来られたので、まだまだありますよ？」
ほらあそこに、と私の質問に奥の本棚を指差し答えてくれるエーミール様。
そこには棚一面とまではいかないものの、かなり新しめの本が沢山置いてあった。
『成る程...取り敢えず今日はこの内3分の1位を此処で読もうかな、と』
他は借りてから自室で読もうと思います、とエーミール様にそう言えば、エーミール様はニコリと笑うと、わかりました、と言って幹部スペースのさらに奥の方へと消えていった。
『さて...読みますかぁ〜』
私は軽く腕まくりをし、暖かい陽光の注ぐ図書室で軍医になるべく勉強を始めた。
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イオ(プロフ) - はーなーさん» はーなーさんコメントありがとうございます！すみません。こちらの不手際ですね...すぐにフォロリク通しますね！ (2021年5月26日 18時) (
レス) id: d37811f059 (このIDを非表示/違反報告)
はーなー - 2コメ！初コメ失礼します。あのぉ…Twitterの鍵垢の方、フォローさせて頂きたいのですが… (2021年5月26日 17時) (レス) id: cc35c4fdc3 (このIDを非表示/違反報告)
イオ(プロフ) - 雨音さん» 雨音さんコメントありがとうございます！更新頑張りますね！ (2021年5月18日 13時) (レス) id: d37811f059 (このIDを非表示/違反報告)
雨音 - よっしゃ！！1コメ！！新作楽しみにしてました！これからも応援してます！頑張ってください！ (2021年5月15日 19時) (レス) id: 13ab585311 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イオ x他1人 | 作成日時：2021年3月15日 17時
