119話 事情説明 ページ12
A side
『つまり先生はゾムを勧誘したかったんですね？』
テクテクと歩きながら、ラッダァ先生の言う、“アスレチック師団”とやらの活動場所へと向かっている。
rd「そうなの！アスレたのしーよ〜？」
zm「んー...でもなぁ...」
sha「やりたいんやろ？ならやったらええやん」
『確かに。やるだけタダだしね』
それよりどっかで見たことあるんだよなぁ〜この先生。
目の前で行われているラッダァ先生のウザ絡みに顔を歪ませるゾムを、珍しいなぁ、なんて眺めながらそう考える。
いつもなら初対面の人？悪魔？に対しては、とんでもない人見知りというか警戒なのかはわからないが、会話をしたがらない。
しかしラッダァ先生との関わり方は仲間内とのそれだ。
今だってぎこちなさは残るものの、楽しそうに会話をしている。
zm「てかラッダァ。その怪我なんなん？怖すぎるんやけど」
rd「あぁ、これね。アスレでの怪我」
sha「え？なに？夫婦喧嘩じゃないん？？」
ニヤニヤとそう言うシャオちゃんに、違うってば！と返すラッダァ先生。
ゾムもそれを楽しそうに見ているし、きっとこの先生とは仲良くなれるだろう。
rd「あ、ここだよ〜」
少しの違和感と疲労を残しながら先生の言葉に目を向ければ、少し遠くまで広がるフィールド。
飛び石やギミックによって飛んでくる矢、大きく揺れる振り子の刃。
羽根を出すことをタブーとし、己の実力のみで挑戦するこのアスレチックは多くの怪我を伴うらしい。
これにはラッダァ先生の怪我の具合にも納得だが、血は拭いてから来て欲しい。
zm「す、スゲー！！！」
sha「え、めっちゃ楽しそうなんやけど！！」
『や、やりたい！やりたい！私もやる！！』
私たちの根本的な精神を揺さぶるそのゲームは、私たちの心に火を点け、動き出す。
rd「そうっこなくっちゃな！じゃあ4人で勝負だ！」
zm.sha「「『絶対に勝つ...！』」」
今、私達の真剣勝負が始まる...！
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作者名：イオ x他1人 | 作成日時：2021年1月30日 0時
