【イナイレ】Omnibus Eleven (ページ2)

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寒空の下《不動明王》ページ2

学校からの帰り道…
　
　不)クソさみぃ……
　あ)けっこう積もったね～

朝方から降っていた雪はあたりを真っ白に染め上げていた。

　不)さみぃ
　あ)明王、さっきから「寒い」しか言ってないよ？
　不)さみぃもんはさみぃんだよ

明王は少しふてくされたようにそう言うと、ネックウォーマーに顔をうずめる。

　あ)そっか…。わたし、なんで明王が寒がりなのかわかるかも…
　不)は？

明王はあきれたようにわたしを見た。

　あ)だって明王って、サイドハｇ…っふにゅ！？
　不)その言い方やめろ

わたしが最後の言葉を言い切る前に、明王の手がわたしの鼻をつまむ。
明王の手、すごく冷たい…

　あ)は、はなひてー
　不)“ごめんなさい”は？Aチャン？

明王の「チャン」付けは、怒っているときのサインだ。

　あ)ごめんなひゃい
　不)フッ…バーカ

明王は意地悪く笑うと、わたしの鼻から手を離した。
あ…。明王の今の顔、すごく好きだなぁ。
なんて、意地悪な表情でさえもかっこいいと思ってしまうわたしは明王のことが本当に好きなんだと思う。

　不)にしても…
　あ)え…？

明王の手がわたしの方へ伸びてきて…

　不)お前、すげぇあったけぇな
　あ)ひゃっ冷たっ…

そして、わたしの頬をつつみこんだ。

　あ)///っ

明王の冷えた手に触れられている頬は、冷たいはずなのにどこかあつい。

　不)ハッ、真っ赤だな。それは寒いからか？それとも…？
　あ)//////っ
　不)んな顔すんなよ。誘ってんの？

そう言って明王は妖しく笑う。

　あ)なわけっ///っ。つ、冷たいから離してっ///
　不)はいはい。

明王はあっさり手を離すと、再度自分の学ランのポケットに手を戻す。
思っていたより少し、いやかなりあっさりと離されてしまった手に少し寂しさを感じる。

　不)物欲しそうにしてんじゃねぇよ
　あ)んっ
　
唐突に明王が触れるだけのキスをした。

　あ)///っ、明王っ
　不)ほら、さみぃんだから行くぞ

明王はそう言って、ぶっきらぼうにわたしの手をつかみ一緒にポケットに入れると、またネックウォーマーに顔をうずめる。

　あ)うんっ

わたしは明王の手を、そのポケットの中で握り返して隣に並ぶ。

　あ)明王っ
　不)あ？
　あ)大好きっ＾＾
　不)っ……うっせ…

歩き出して見上げた明王の横顔。
ほんのり赤いのはきっと寒さのせい…だよね…？