短編集【ｲﾅｲﾚ・ｲﾅｺﾞ】4 (ページ21)

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ヒロ円 3 ページ21

「そう…だな。嬉しかった、かな。ヒロトの熱い思いを受け止められるのが嬉しかった。ずっと抱え込んでいたものを受け止められるなら、それはキーパーとしての特権だと思わないか？」

ふわりと花を散らす円堂くんに思わず目を奪われてしまった。そのままボールを投げ出せなくなってしまって、その場で崩れこんでしまう。その様子に心配そうに駆け寄ってくれた。

「ヒロト…！？大丈夫か…！？」

「えん、どう…くん…、」

目頭がじんわりと熱くなる。それと同時に揺れる視界。そんな姿をみられたくなくて、思わず蹲ってしまった。そんな姿に、戸惑いながらも優しく背中を摩ってくれて、その健気さがやっぱり好きだなあ、なんて。

「円堂くん…ごめんね…ごめんね…っ、」

「ヒロトは悪くないから、謝らなくていいぞ」

「うん…、ありがとう…、」

彼にとって、俺の思いはキーパーとしての円堂くんに受け止められていただけだったけど、それでも嬉しかったのだ。自分は本当の親に捨てられ、親と慕っていた存在からは、本当の自分としてではなく、あくまでも他人の代わりとして愛されていただけだったから。だから、本当の自分を受け止めて、そしてそれを受け入れてくれただけでも、基山ヒロトとして、俺はこの世に存在していいのだと思うことが出来て、その事実が今は幸せで、嬉しくて堪らなかった。

「ヒロト、いつだって俺はお前の味方だからな！」

「うん、ありがとうね。円堂くん」

「おうよ！」

光が笑う。光の特別になりたいと望む気持ちは未だに腹の底でふつふつと沸き立っているけれど、これ以上の幸せを今はまだ望んではいけないと、その気持ちをまた密かに抑え込んだ。

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地雷の都合でみるのを断念していた無印2期を久しぶりに見返して、グラ円を書こうとしたら出来ていたヒロ円もどきです(笑)
本島は円堂くんhshsなグラン様にしようと思っていたんだけどな…(遠い目)