基緑 ページ14
「緑川」
いつもと違う、緊張気味の震える声。いつもの余裕そうな彼はそこにはいなくて、じっと見つめられた瞳を逸らすことなんて出来ない。
「どうしたの？」
まるで彼の緊張が乗り移ったように、自分の声も震えていて。どくりと心臓が震え上がり、心拍数が上がっていく。
ごくり、と固唾を飲み込む。次の言葉が発せられるまでのこの時間がすごく長く感じてしまって。
「俺と結婚してくれませんか？」
こてん、と首を傾げて左手を差し出される。俺ならお前を幸せにしてあげれる、なんて。
彼の表情は緊張ながらも落ち着いていて、こんなときでもかっこいいだなんて。さらに心臓が激しく鼓動していくのが分かる。
こんなに幸せでいいのかな。ずっとだいすきな彼と一生を遂げられるなんて。彼が社長職に就くと決めて、俺に秘書をやってほしいと提案されたときだって、十分なくらいには幸せだったのに。
「…幸せじゃなかったら、許さないからね」
差し出された左手に自らの手を重ねて。ぎゅっと握り締めると、目の前の彼は少し目を見開いた後、嬉しそうに花を咲かせる。その目には少しばかりか涙が浮かんでいて。くいっと眼鏡を空いた方の手で上げると、頬を緩めて。
「もちろんだよ」
この日から俺たちの関係は、恋人からパートナーへと変わっていった。
＿＿＿＿＿＿
リクエストありがとうございました！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 16人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
mini @ 気まぐれ返信ごめんなさい(プロフ) - ふふる。@お布団もふもふ教副隊長さん» わ〜ありがとうございます〜南涼まじ良きですよね...雨雪ですか！書いたことないカプなので遅くなるかもしれませんが大丈夫ですよー！！ (2020年6月4日 18時) (
レス) id: 5da2f08714 (このIDを非表示/違反報告)
ふふる。@お布団もふもふ教副隊長(プロフ) - mini @ 気まぐれ返信ごめんなさいさん» 南雲に風水〜！マジ神です！雨雪って作れますか？ (2020年6月4日 18時) (レス) id: 28f80b2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
mini @ 気まぐれ返信ごめんなさい(プロフ) - 蓮花さん» リクエストありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです〜！基緑ですね、了解しました！ (2020年6月1日 10時) (レス) id: 5da2f08714 (このIDを非表示/違反報告)
蓮花 - リクエスト失礼します！基緑お願いします！ (2020年6月1日 6時) (レス) id: c9c79794b0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：mini | 作成日時：2020年5月10日 5時
