誰 ページ9
「悪いな、辛気臭い話題に成っちまって」
中也は再び謝ったが、先刻と違って笑っていた。
「いえ…」
わたしは何と応えればいいのか分からず、そんな当たり障りの無い返事をした。
「そう云えば──」
ふと思い出した様に中也が云った。
「そう云えば、よく俺の家が判ったな」
「…っ!だって其れは…中也君が…」
「ン?俺が?」
小首を傾げる中也。違う。そんな事無い。
「中也君が、住所、教えてくれたよ?」
ほら、と云ってポケットから茶封筒を取り出す。
中也は其れを受け取って訝しげな顔をした。
「中、見てもいいか?」
「うん…」
わたしは神妙な顔で頷いた。
中から出てきたのは、白と黒の犬のメモ帳から取った様な紙。
「…確かに俺の住所だ」
「…見に覚えは…?」
生唾を飲み込みながら聞く。
「否…無いな」
如何云う事?
何者かがわたしに中也の情報を流した。
わたしの心中を知り、中也の住所を知る人物。
誰だ?何か心当たりは?
………………居る!!一人!
「……太宰さん!」
二人で太宰の元へ向かう事に成った。
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爽斗 - せれな さん» 本当ですか!!ありがとうございます!!頑張ります!! (2021年8月27日 22時) (レス) id: 5b5562e114 (このIDを非表示/違反報告)
せれな - 本当に面白いです これからも応援しています! (2021年8月25日 20時) (レス) id: 6fed7b85b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:爽斗 | 作成日時:2021年7月15日 2時