【まふまふ】犬系彼氏

5匹目 ページ6

ピンポーン




今日コラボ実況を撮る実況者の家に、ほぼほぼ走ってきた。




おかげで、ぜぇぜぇと息は切れている。




や、やばい。出てくる前に、息整えなきゃ…。




と、考えていたが時すでに遅し。玄関の扉は勢いよく開かれた。




「うぃーっす！…って、大丈夫か？」




「はぁ…はっ…き、キヨ、お水ちょうだい」




そう言うと、キヨは「まぁあがんなよ」と言って、急いで水を取りにいってくれた。




_____今日、実況を一緒に録るのは、あの有名実況者のキヨとレトルト…レトさん。




レトさんの声は聞こえないから、まだ来てないんだろう。




靴を脱いでリビングに入ると、キヨは早速水を持ってきてくれた。




「まぁまぁ飲みなよ。何があったか知らんけど」




「ありがと…」




キヨ猫のマグカップに入った水を一気に飲んで、ぷはぁ、と息をもらす。




…あ、キヨはレトカニのマグカップで綾○飲んでる。ずるいわ〜。




「はぁ…なんか落ち着いた」




マグカップをテーブルの上に置いて呟くと、キヨはニヤニヤしながら首を指差してきた。




「なに？まふ君に行かないでって駄々こねられて、キスマまで付けられちゃったの？」




「うっ…流石キモ。キヨいわ」




「キモじゃねぇーしっ！逆だわ！てか、逆でもひでぇわ！」




キヨはぎゃあぎゃあ喚くと、スイ○チの電源を切ってソファに座り込む。




そして、「座れば」と横を指差してきた。




「あ、じゃあ座るね」




キヨの行動がなんとなくおかしかった気がするが、ゆっくりとキヨの隣に座る。




「で、Aさん。ここで、重大なお知らせです」




キヨは座り方を正座に直して、真剣な顔でじっと見てきた。




な、なんか嫌な予感がする…。




「あの鼻声魔人さんですが…猫の餌を買いに行くので、一時間遅れることとなりました」




「うっそでしょ、レトさん…」




まさかの、本日の主役(仮)が飼い猫のために遅刻…。この野郎、レトルトめ。




「じゃ、じゃあ、一時間なにするの？」




「だいじょーぶ。俺、Aに聞きたいことあったから、それで一時間潰れるから」




「え…？」




驚いてキヨの方を見ると、キヨは悪いことを考えている時の笑顔をしていた。




…あれ、もしかしてピンチ？

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