Embodying War 【本編】 (ページ4)

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第３話　移動命令ページ4

急いで上司のいる部屋の前に来ると、命霊は一度深く深呼吸をしてから三回ノックをし、「失礼します」と声をかけるとその扉を開いた。

「上司、その話というのは何でしょうか。」

　開口一番そう告げる。まさか部屋で考えたような事にならないことを祈りつつ上司からの返答を待つ。しばらくして、こちらに気付いた怖くて言えないので言ったことは無いが頭が寂しそうなぽっちゃりとした上司がこちらを見やって口を開く。

「あぁ、＿きみ、今度から別の部署で働いて貰う事になったから。はい、これはその部署の場所の地図ね。」

「……………………………………はい？もう一度言ってもらってもいいですか？」

「だから、今度からきみ、別の部署で働いて貰う事になったんだって。……今日書庫居すぎて耳も可笑しくなった？」

ははは、と笑う上司の手前あまりの事実にひきつった苦笑いしか浮かばない。
　というか、もう少しで春だし、また別に部署変更の時期になるというのに何故今？？

なんて考えている暇もなく、上司が命霊の手にその場所がかかれた地図とメモらしきものを無理矢理手渡してくる。

「それじゃあね、明日にはこっちに移動だから。早急に荷物まとめて出てってね。
あ、そうだ、これ一応君の給料明細。渡しとくね。あー、…ま、そういうことだからお疲れ様。」

　言ってくる上司の言葉を半分以上聞き取れないままに命霊は微妙な顔をしつつも仕方無しに言葉を返した。

「……はい、わかりました。」