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A「･･･無い、わー･･･」
アラームを5分置きにかけさせられたもんだからさすがに起きました。設定音はシンバルを全力でぶっぱなした音で、それが耳元に固定されてるわけだから2回目で秒で起きました。楽器、ゼロ距離視聴ダメ()
んで、何が無いのかと言うと･･･。
A「ソックスやめにしとこ･･･ストッキング、と言うかタイツありだったよね」
ゆー兄から受け取った制服である。
いやー･･･神山高校、制服かわいい。ワイシャツはまだ普通。ブレザーは紺色に白のワンポイントライン。白と青と紺のチェックスカート。赤のリボンもしくは赤と紺のネクタイ。一応ロングソックスもあるんだけど私はスカートの下に黒タイツを履いた。
んー･･･うぅん･･･ブレザーが可愛くて無理だ。ゆー兄が「ブレザー嫌なら学校指定のセーターなり、中にパーカーなり着ぃ」って言ってたからブレザーやめにして、白いジップアップパーカーとその上に･･････あ、ダメだサイズ的にセーター着れなくなる！
くっそ･･･それなら、グレーのセーターをボタン全部留めてその上に白パーカーはどうだ？
･･･うん、これならまだ大丈夫。‘似合わない’から‘着慣れてない’程度にはランクアップしたはず。
A「･･･髪、結ぶか」
姿鏡は無いから、洗面台の鏡であれこれ確認しながら着替えてる。
明るい灰色の肩まである、ところどころ跳ねた髪。んー･･･切ろうとまでは思わないけどちょっと邪魔かな。片っぽ結べばいいか。
一旦自分の部屋に戻って少し前に貰ったビーズアクセ付きのゴムを手に取り再び洗面台へ。そして右側の髪をひとつ結いにした。･･･うん、おっけ。
そうこうしてる内にリビングの方から『A、朝メシ出来たでー』と声をかけられる。
ててててーと向かえば私を見たゆー兄がそこに居て。
軽い会話を挟みながら、朝食を済ませた。
･･･ゆー兄と食べるの1週間ぶりだったから、なんか新鮮だった。
そしていよいよ外へ。
A「あー･･･気持ちの準備がぁ･･･」
悠羽哉「はいはい。
忘れ物は無いか？」
A「んーと、スマホ持った･･･今日の分の教科書持った。ノートも持った･･･筆記用具持った･･･財布も持った･･･。
うん、大丈夫」
悠羽哉「真っ先にスマホ確認するて･･･まあええわ。
ほんなら、行くで」
ゆー兄の愛車に乗り込み、私は1週間前から通うはずだった神山高校へと向かうのだった。
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作者名：犬ゐ | 作成日時：2023年4月12日 0時
