Ep.52 ページ3
緑色を基調とした部屋は母にとって懐かしくありながらも、苦い思い出や辛い記憶さえもある場所だった
部屋にはAと母しかおらず、同室の子達は私用などで出払っているのかいなかった
母はベッドに座るAのそばに腰掛ける
｢あなたがどうしてあんなことをしたのか、私には……分かる気がするわ｣
その言葉にAが顔を上げると、母は酷く悲しげな顔をしていた
｢私が……何も言わなかったからよね。アルバスを止めなかったのは、私の過去を知りたかったからでしょう？｣
そう言われてAは頷くように俯いて、組んだ手を見つめたまま話した
『母さん……私、知ってるよ。母さんがしてきたこと。違う世界のハーマイオニーたちから聞いたの』
そう言うと母はハッとした様な顔をした後に辛そうに顔を歪めた
｢そう……失望、したでしょ。どうしてそんなことをって思ったでしょ。……私、どうしても言えなかったの。好いてくれるあなたの気持ちを、裏切りたくなかった｣
母はそう言ってAを見つめた
『裏切られたなんて思わなかった……私ね、母さんに言われて気づいたの。母さんは、私の事ちゃんと見てくれてた。
私を……私の中身を愛してくれていた。どんな私でも愛してるって言ってくれる、そんな素晴らしい人なんだって』
そう言うと母は困ったように笑い、首を振る
｢それはあなたが、私にとって素晴らしい子だから。けれど、それらを理由にあなたを周りの噂から守ろうとしなかった。それは私の罪よ｣
母は少し迷ったように目をさ迷わせて沈黙し、それから少しばかりおずおずとした様子で口を開いた
｢私の母は酷い人だった。父の言うことにしか従わない人で、私を守ってくれたことなんてなかった。私は……家の中で独りだったの。孤独だった……そんな思いは絶対にさせたくない、とあなたを産んだ時に決めたのに……私は、結局あなたを見捨てて、あなたを孤独に追い込んでしまった｣
『そんなことないわ！』
Aはすぐに否定し、母の手を握った
『私にとって母さんと父さんは最高の両親だって分かったの！そりゃ確かに、過去のことを一切話してくれなかったのは悲しかったし、孤独だった。でも母さんよりマシなのは確か。でしょ？』
冗談めかしてそう言って肩をすくめると、母は泣きそうな顔でAを強く抱き締めた
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マシュマロ - とても面白くて読んでいてとても (10月22日 2時) (
レス) @page36 id: c1ecb663ab (このIDを非表示/違反報告)
サンマ(プロフ) - ユズナさん» ユズナさん、いつもコメントありがとうございます！すごく励みになります！シリウスは家族に激甘なので、すぐ丸め込まれてくれるイメージですw (7月3日 21時) (レス) id: e98e7ad213 (このIDを非表示/違反報告)
ユズナ - また書いて下さる時を楽しみにしています！すっかりこの小説にハマりましたwスネイプ先生、かっこよすぎ！シリウスが丸め込まれてるの見てて面白かったですww (7月2日 23時) (レス) @page2 id: d0e30b129b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サンマ | 作成日時：2023年6月26日 12時
