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『クリフ……あなたなら、これを隠すことは可能？』
呟くようにそう言うAにクリフはハッとしたようにAの顔を見つめた
｢お、そらく可能でございます……ですが、お嬢様｣
『クリフ、命令よ』
Aの声は柔らかく、力弱かった
それは命令と言うよりも普段と同じように会話し、クリフを安心させるかのような声色だった
｢ですが、Aお嬢様……｣
『私を思うなら、絶対に誰にもバレずにやり遂げて』
泣いて戸惑うクリフを見ながらAはそれ以上に辛そうな顔をして言う
『遺体を誰にもバレない場所へ隠すのよ』
そう言ってAは涙を流した
クリフはその表情と言葉に何も言えずにただ、頷くしか無かった
｢分かりました、お嬢様。あなた様を守るために、今度はきちんとお守りするために、クリフは全てを隠します！｣
『ありがとう、ごめんなさい……誰にも、言っちゃダメよ』
Aはそう言ってヨロヨロと立ち上がると、血溜まりから数歩離れて、また座り込んで死んだように眠りについた
クリフはその間、昼から夜へ、夜から朝へと時間が流れる中で屋敷の惨状を全て片付け、レジーナの日記と共に隠蔽したのだった
｢それから、お嬢様はミルキーウェイのもっと詳しい情報を集めて欲しいとクリフにお言いつけになりました。精神を守るための準備なのだとクリフには分かっておりました。だって、お嬢様は時々本当にミルキーウェイの生まれ変りかのような口振りでクリフに命じたのですから。
そして5年生になった時、つまり、シリウス様が脱獄した日に、ミルキーウェイの生まれ変わりとして生きることをお選びになったのです。それも無意識に｣
クリフの話が終わる頃にはもう翌日になっていたが、シリウスとAに眠気は全く訪れていなかった
Aはクリフの言葉を聞きながらデジャブを感じていることを否定できなかった
痛みに呻く私の声も、レジーナの絶叫も、目を背けたいほどの惨状も、フラッシュバックのように脳裏に蘇っては消えて、思い出しては消えてを繰り返した
普段だったら夢で見たのか、ただの違和感のある恐ろしい記憶にしか思わなかっただろうそれらは、確かにAの脳裏に焼き付き、そんな言葉たちでは片付けられないほど確信が持ててしまった
｢君は……私を愛していたわけじゃなかった｣
シリウスはそう言って塞ぎ込むように項垂れていた
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サンマ(プロフ) - ユズナさん» 予想外な作品を作りたい衝動に駆られました！そう言っていただけて嬉しいです。ありがとうございました！ (2023年4月30日 19時) (
レス) id: e98e7ad213 (このIDを非表示/違反報告)
ユズナ - はじめの方から読んでて、最初は普通の転生物かなぁと思っていたらめっちゃ予想外すぎて面白かったです！神過ぎません？最後めっちゃ泣きましたよ！？こんな素晴らしい小説を作ってくださりありがとうございます！ (2023年4月30日 4時) (レス) @page49 id: d0e30b129b (このIDを非表示/違反報告)
サンマ(プロフ) - 音乙さん» ありがとうございます。とっても嬉しいお言葉です！最後までよろしくお願いします！ (2023年4月2日 16時) (レス) id: e98e7ad213 (このIDを非表示/違反報告)
音乙(プロフ) - どうしよう、勿論キャラとシリウスの絡みも最高だけど、何より謎の真実がめちゃくちゃ気になって一気読みしました、最高です。応援してます！ (2023年4月2日 11時) (レス) @page36 id: c1b7932ddf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サンマ | 作成日時：2023年3月28日 16時
