27. ページ28
「ミルキーウェイを呼び出した。馬鹿なグリフィンドールを呼び出すのは簡単だ。そして殺すのも案外簡単だった。人のいない所、人のいない時間、割り出すのは楽勝だから目撃者はいないはず。まぁ、いたとしてもまた消してしまえばいい。記憶でも体でも。
でもまさか、本当にノコノコ現れて、後ろからあっさりと殺されるなんて、私はなんのためにこの数十年耐えてきたのか。無駄な時間だった。こんなに簡単に死ぬならさっさとやっておけば良かった」
｢クソッ！｣
そう叫んでシリウスは杖を向ける
インセンディオを唱えてしまえばこんな日記は簡単に燃えてなくなるだろう
だが、どうしてもそれはしてはいけない気がして、シリウスは怒りを沈めるように杖をベッドに放り投げてまた読み進めた
「悲しみに暮れているシリウスに会いに行こうとしたら死喰い人の襲撃にあった。私は半純血よ？それなのにマグルと勘違いするなんて愚かすぎる。クリフの助言もあるし、今はまだ、外に出ない方がいいのかもしれない」
「シリウスがアズカバンに入れられた！あぁ、なんてこと！私は一体どうすればいいの！シリウスがいることだけが生き甲斐だったのに！」
「私がミルキーウェイの話をしすぎたのか、Aはミルキーウェイに似てきたように思う。つい最近、してあげたことも無いのに、また夜空を見に行こう、と誘われた。私が訝しんでいたらAは少し困ったように笑って、間違えた、と言った。
何を間違えたのか、その時の私には分からなかったけれど、今思えば、ミルキーウェイは母親に星空を見せてもらっていたと話したことを思い出した。あの子、気持ち悪い」
「Aがおかしな話をしだした。あの話し方や立ち振る舞いはまるでミルキーウェイのようでゾッとした。マグル界にはそういう思い込みの病があると聞いたけど、きっと私の話をもとに演じて遊んでいるだけよ」
それ以降はまだページが数枚残っていたというのに何も書かれていなかった
シリウスは全てを読み終えて、深く息を吐き出した
そして、ある一つの確信めいた思考が頭の中を占領していた
A・ストレンジャーはA・ミルキーウェイとは全く別の人物であるということ
｢信じられない｣
シリウスは泣きそうになりながらそう呟いた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 117人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サンマ(プロフ) - ユズナさん» 予想外な作品を作りたい衝動に駆られました！そう言っていただけて嬉しいです。ありがとうございました！ (2023年4月30日 19時) (
レス) id: e98e7ad213 (このIDを非表示/違反報告)
ユズナ - はじめの方から読んでて、最初は普通の転生物かなぁと思っていたらめっちゃ予想外すぎて面白かったです！神過ぎません？最後めっちゃ泣きましたよ！？こんな素晴らしい小説を作ってくださりありがとうございます！ (2023年4月30日 4時) (レス) @page49 id: d0e30b129b (このIDを非表示/違反報告)
サンマ(プロフ) - 音乙さん» ありがとうございます。とっても嬉しいお言葉です！最後までよろしくお願いします！ (2023年4月2日 16時) (レス) id: e98e7ad213 (このIDを非表示/違反報告)
音乙(プロフ) - どうしよう、勿論キャラとシリウスの絡みも最高だけど、何より謎の真実がめちゃくちゃ気になって一気読みしました、最高です。応援してます！ (2023年4月2日 11時) (レス) @page36 id: c1b7932ddf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サンマ | 作成日時：2023年3月28日 16時
