Ep.35 ページ36
その態度もAを苛立たせるには十分だったが、ここまで優しくされると一体何に苛立っているのか時々A自身も分からなくなってしまう時があった
シリウスの裏切りのせいでホグワーツから家から全てから居場所をなくしたせいなのか
それはそもそもシリウス達と付き合っていたとしても、いつの日かはそうなっていたし、家族と縁を切るのは覚悟の上だった
しかし、だからといって裏切ったことを許せるはずがない
だが、彼はこうして謝ってきた。それを受け入れないのはA自身だろう
そんな考えが時々頭をよぎる
私は一体、シリウスの何に怒りを覚えるのだろう
シリウスを憎み、嫌悪するのはもう当たり前のことに日常に染み込んでいたせいで、その明確だったはずの理由が最近では分からなくなってきていた
シリウスが嫌い、私を裏切ったから
これで完結だが、それでももう過去のことは水に流してもいいのかもしれない
笑い合うなんて無理な話だが、嫌悪感が薄れてきているのは事実だ
Aはあの暖炉に放り込んだ学生の頃のシリウスの笑顔を思い出そうとして、そして既に忘れていたことを思い出した
長い間、シリウスの笑顔なんて興味もなかった
しかし、ふと、その時だけは、もう一度あの顔を見てみたいと、そう思ってしまったのだった
＊
それから直ぐにスネイプからハリーが神秘部へ行くという報せを受けて騎士団の戦闘に強いメンバーたちは向かうことになった
シリウスももちろん向かうと言った
『馬鹿なの？神秘部は魔法省にあるのよ？お前は指名手配犯なのに』
｢ハリーが危ないんだろう？！｣
Aに対してシリウスが初めて声を荒らげた
『絶対にダメよ！死にたいの？魔法省の誰かに見つかったら…』
｢それでも行く！私の息子が危ない、理由はそれだけで十分だ｣
その言葉にAは微かに目を見開いた
一体どうして
『そんなに大切なら尚更ここにいて、ハリーの無事を願うべきよ！』
｢大切だからこそ、行くんだ！私は二度と、大切なものを失いたくない！｣
シリウスはそう言って立ちはだかるAの両肩を掴んだ
その鬼気迫る顔にAは呆然とする
『私には……そんなこと、言ってくれなかった』
気づいた時にはAは口からそう零していた
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Kurisia(プロフ) - ガチ泣きしました😭😭😭すごい面白かったです！ (2月25日 19時) (
レス) @page49 id: 47ec42f1a8 (このIDを非表示/違反報告)
ラマ - この小説とても面白くて出会えてよかったです！めちゃ感動しますた。😭 (6月5日 19時) (レス) @page49 id: 44de75f60a (このIDを非表示/違反報告)
まりっぷる🍏 - 凄く面白くて一気に読み終わってしまいました…､ハリーポッターのキャラクターは何処か現実味があって､そこがまた惹かれるというか…そういうのが作品に全面的に出ていて､もう…大好きです…(語彙力なくてすみません)とても素晴らしい作品でした｡ (5月21日 18時) (レス) @page49 id: 046bc6b755 (このIDを非表示/違反報告)
サンマ(プロフ) - コロクさん» お読みいただきありがとうございました。この作品を気に入って頂けて凄く嬉しいです。 (2023年4月19日 22時) (レス) id: e98e7ad213 (このIDを非表示/違反報告)
コロク - 物凄く、感動してしまいました。涙が出てしまうほどです。とても素晴らしい作品でした。 (2023年4月18日 20時) (レス) @page49 id: 5bdc42e7a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サンマ | 作成日時：2023年3月10日 16時
