Ep.3 ページ4
シリウス・ブラックと話す機会が巡ってきたのは、その半年後、たまたま校庭で彼らが固まって騒いでいるのを見つけた時だった
Aは周りにシリウスがいつも一緒にいる3人の男子生徒以外、誰もいないことを確認すると、すぐさま彼らの元に向かった
騒々しかった男子生徒4人はスリザリンの生徒であるAが目の前に立ったのを見て、静まり返った
『こんにちは。私はA・ハリウェルです。少し、Mr.ブラックとお話がしたいのですが……』
相手の気分を害さないようにするのが得意なAは言葉に気をつけながら純血一族が嫌悪しなければならないグリフィンドール生を相手に軽くお辞儀をして言った
｢シリウス、知り合いか？｣
くしゃくしゃの髪をした男の子が聞けば、シリウスはどちらとも取れない唸り声を出した
『私は、彼の弟の婚約者です』
Aがそう言うと、思いもよらなかった回答に男子生徒3人はポカンとし、シリウスは嫌そうに鼻を鳴らした
｢婚約者！今どき？さすがは純血一族！｣
くしゃくしゃ頭の男子生徒よ馬鹿にしたような声色と笑顔にAは苛立ちを覚えた
しかし、ここでその感情をぶつけて喧嘩をしてしまうと時間の無駄になってしまうので、表には出さずAはシリウスの目の前に座った
｢おい、誰もお前なんかと話なんて…｣
『Mr.ブラックはどうしてマグル生まれを許容するのですか？』
シリウスを遮って聞いたその言葉に場の空気がシンとした
シリウスは嫌悪感を目一杯に込めてAを睨みつける
他の3人の男子生徒もなぜそんな質問をするのか理解できないという顔をしてAを見つめた
『私は、純粋に疑問なんです。私の家でマグル生まれを迫害するのは当然でした。この魔法界は純血一族のためだけに存在するものなのだと両親からはそう言い聞かせられてきたからです』
顔に少し傷のある男子生徒は少々同情の眼差しをAに向けたが、Aは気が付かなかった
『それなのになぜあなたはそのような、私たちの間で言う「愚かな思想」に至ったのでしょう？あの教育は言わば洗脳です。家にいる間に気づけるはずがない』
洗脳という言葉が出るとは思わなかったのか、シリウスは驚いたようにAを見つめ返した
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 175人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Kurisia(プロフ) - ガチ泣きしました😭😭😭すごい面白かったです！ (2月25日 19時) (
レス) @page49 id: 47ec42f1a8 (このIDを非表示/違反報告)
ラマ - この小説とても面白くて出会えてよかったです！めちゃ感動しますた。😭 (6月5日 19時) (レス) @page49 id: 44de75f60a (このIDを非表示/違反報告)
まりっぷる🍏 - 凄く面白くて一気に読み終わってしまいました…､ハリーポッターのキャラクターは何処か現実味があって､そこがまた惹かれるというか…そういうのが作品に全面的に出ていて､もう…大好きです…(語彙力なくてすみません)とても素晴らしい作品でした｡ (5月21日 18時) (レス) @page49 id: 046bc6b755 (このIDを非表示/違反報告)
サンマ(プロフ) - コロクさん» お読みいただきありがとうございました。この作品を気に入って頂けて凄く嬉しいです。 (2023年4月19日 22時) (レス) id: e98e7ad213 (このIDを非表示/違反報告)
コロク - 物凄く、感動してしまいました。涙が出てしまうほどです。とても素晴らしい作品でした。 (2023年4月18日 20時) (レス) @page49 id: 5bdc42e7a3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サンマ | 作成日時：2023年3月10日 16時
