Not a story ページ34
これは物語の世界じゃないし、Aは偉大な人でもなければ、誰かを守って死ぬような人でもなかった
少しだけ未来が分かって、少しだけ運が良かっただけ
｢貴様について教えろ｣
ホグワーツの修復作業を手伝っている中で設けられた休憩時間中にスネイプがAを睨みつけながら聞いてきた
質問してくる人の態度では無いことは確かだが、そこについて触れることはせず、Aは微笑んで了承した
『最初の質問は？』
｢目が見えるようになったのは闇の魔術のおかげか？｣
スネイプの疑問にAはシリウスに話したことを掻い摘んで説明した
｢ならば、なぜドラコが杖を取ったと知っていた？それに、ポッターと違い船着場にいることを見た訳でもないのになぜあそこに来れた？｣
最初に聞かれた時より随分と疑わしげな声色ではなくなったことにAは少しばかり笑いそうになったが、それでもしっかりと説明した
『ダンブルドアが殺された時のことをハリーから聞いた。ドラコがダンブルドアの杖を取り上げてしまったから反抗する術なく、殺されてしまったとね』
スネイプは顔を伏せた
これは本当だった
ハリーは酷く怒った様子でその時のことを話し、スネイプへの恨みつらみをぶちまけたのだ
『船着場に行ったのは……ハリーたちが行くのが見えたからよ』
これは真っ赤な嘘だった
『あの子たちが行く先に偶然ヴォルデモートがいて、あなたを殺そうとしていたのを見て、助けてあげたの。出来すぎているのは自分でも分かってる。
私の目のことで闇の魔術を使ったのかと疑い、そのせいで寝返っているのではないかと思ったのも仕方ないわ。でも、私は絶対にリリーやハリーを裏切ることはしない』
Aはそう言ってスネイプの目を真っ直ぐに見つめた
スネイプはその言葉と態度で信じたのだろう、ゆっくりと頷いた
｢だろうな。貴様はあまりにもリリーのことを大切にしすぎている｣
『あなたもそうしてくれてたら良かった』
Aは優しくそう言って慰めるようにスネイプの肩を叩く
｢そうだな。私もそう出来ていたらと思うことがある｣
スネイプは遠い昔を懐かしむような目で虚空を見つめ、囁くようにそう言った
ホグワーツの修復作業は思ったよりも早く終わり、ハリーたち7年生は復学するか中退するかを選んだ
ハリーとロンは中退し、ハーマイオニーはもちろん復学した
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サンマ(プロフ) - ボガリズエッドさん» こちらこそありがとうございます！感動していただけて良かったです！ (2023年3月13日 9時) (
レス) id: e98e7ad213 (このIDを非表示/違反報告)
ボガリズエッド(プロフ) - 素敵な作品に出会わせていただき、ありがとうございます！！最初から一気読みしました。こんなにも納得できて全員幸せなお話感動しないわけが無く、ただいま余韻に浸っています。最高です！！ (2023年3月12日 22時) (レス) @page38 id: f1342d7e58 (このIDを非表示/違反報告)
サンマ(プロフ) - 七志さん» こちらこそお読みいただいて、ありがとうございます！この作品のシリウスはかなりかっこよく作ったつもりだったのでそう言っていただけて嬉しいです！！ (2023年3月9日 18時) (レス) id: e98e7ad213 (このIDを非表示/違反報告)
七志(プロフ) - 【１】から一気読みしてしまいました…！！文章の作りや言葉が綺麗で読みやすく、イチャイチャにきゅんきゅんして、ハッピーエンドでとても面白かったです！ シリウスかっこいい！最高です！ありがとうございました！ (2023年3月9日 11時) (レス) @page38 id: 83eeb09375 (このIDを非表示/違反報告)
サンマ(プロフ) - 柊木さん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます！こちらこそ読んでくれてありがとうございました！ (2023年1月4日 15時) (レス) id: e98e7ad213 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サンマ | 作成日時：2022年12月1日 13時
