Boat house ページ27
｢大丈夫だ。君の実力は学生の頃から私たちが知ってる。A、君は誰よりも防衛術に秀で、誰よりも危険を察する能力が高かった。不安になる必要なんてないんだよ｣
シリウスは優しく微笑んでそう言うと、Aにキスをした
パブに向かう人々は突然始まったカップルのイチャつきに酔っ払いよろしく、ヒューヒューと口笛を鳴らし、囃し立てた
『目立つわ』
｢そっちの方が逆に好都合な時がある｣
シリウスはそう言っていたずらっ子のようにニヤリと笑った
｢あぁ、全く。だから君たちは｣
裏路地から出てきたジェームズは囃し立てられている注目の人物が誰かを見て、呆れた声でそう言いながら近づいてきた
｢Aが不安がってた｣
シリウスは悪びれた様子もなく肩を竦めた
｢とにかく、行きましょう｣
リリーも呆れたように笑って首を振り、パブから離れるよう促した
＊
ホグワーツに戻って再会の喜びと感動、抱擁を味わい、戦争が始まった
戦争は恐ろしい
さっきまで話していた子供や大人が崩壊した廊下や広間の片隅で死んでいる
Aは船着場へ続く廊下で死喰い人と決闘をしていた
スネイプを助けたい気持ちは少しばかりある
リリーは許していないが、許す機会は与えてあげたかった
原作では与えられなかった機会を
死喰い人を倒すと、Aはすぐに船着場に駆け出した
そこにはハリーとハーマイオニーとロンが身を屈めて息を潜めて、隠れていた
ハーマイオニーが口を開いたが、息を呑むような驚いた声はロンの手が抑えたことによって響かなかった
Aは足音を殺して、ヴォルデモートの声が聞こえる船着場の方へ向かった
ハリーが恐怖に身をすくめながらも首をかすかに横に振った
足は震えているし、声は出ないかもしれない、なんなら一か八か、ハイリスクでしかない無駄な行動なのは重々承知
だが、諦めきれなかった
A自身が好きになれなくても、彼は死んでいい人では無い
『ニワトコの杖の所有者はスネイプじゃない』
Aの声が響いた時、その場がシンと静まり返った
ヴォルデモートはスネイプに上げていた杖を下ろし、興味深げにAを睨みつけた
ナギニは今にもスネイプを噛み殺してしまいそうだ
『なぜその杖があなたの思うがままにならないか、分かっていないのか？』
スネイプは信じられないものを見るような目でAを見つめ続ける
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サンマ(プロフ) - ボガリズエッドさん» こちらこそありがとうございます！感動していただけて良かったです！ (2023年3月13日 9時) (
レス) id: e98e7ad213 (このIDを非表示/違反報告)
ボガリズエッド(プロフ) - 素敵な作品に出会わせていただき、ありがとうございます！！最初から一気読みしました。こんなにも納得できて全員幸せなお話感動しないわけが無く、ただいま余韻に浸っています。最高です！！ (2023年3月12日 22時) (レス) @page38 id: f1342d7e58 (このIDを非表示/違反報告)
サンマ(プロフ) - 七志さん» こちらこそお読みいただいて、ありがとうございます！この作品のシリウスはかなりかっこよく作ったつもりだったのでそう言っていただけて嬉しいです！！ (2023年3月9日 18時) (レス) id: e98e7ad213 (このIDを非表示/違反報告)
七志(プロフ) - 【１】から一気読みしてしまいました…！！文章の作りや言葉が綺麗で読みやすく、イチャイチャにきゅんきゅんして、ハッピーエンドでとても面白かったです！ シリウスかっこいい！最高です！ありがとうございました！ (2023年3月9日 11時) (レス) @page38 id: 83eeb09375 (このIDを非表示/違反報告)
サンマ(プロフ) - 柊木さん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます！こちらこそ読んでくれてありがとうございました！ (2023年1月4日 15時) (レス) id: e98e7ad213 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サンマ | 作成日時：2022年12月1日 13時
