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そのまま夏休みへと入り、Aも家へと帰った
何も聞かれぬままクィディッチワールドカップへと一行は赴いた
ジェームズとハリーは朝からワクワクが止まらないようで、どこのチームが勝つか道中、長々と話し合っていた
「シリウスはどこのチームが勝つと思う?」
ジェームズから急に話を振られたシリウスは、卒業してからあまりクィディッチの熱心なファンではなかった
見るのは今でも好きだが、どこが勝つかなどを話し合うほどでは無い
「さぁな。ビクトール・クラムは新聞に載ってただろう?彼のチームじゃないのか?」
シリウスは首を傾げながら言った
「そうだけど、アイルランドも中々強豪なんだよ」
ハリーがニヤリと笑いながら言った
ワールドカップのスタジアム周辺は色とりどりのテントで囲まれており、ポッターとメイフィールド一家は比較的スタジアムに近い場所を確保出来ていた
「ロンたちも来ているはずだよ。ロンがチケットを手に入れたらしくてハーマイオニーを誘ったんだ」
ジェームズとシリウスが杖でテントを広げている横でハリーがキョロキョロしながらリリーに言った
「それじゃあ、探していらっしゃい。まだ試合開始には早いし、テントの場所は分かるわね?」
「うん!ありがとう」
リリーの言葉にハリーは嬉しそうに駆け出して行った
『可愛らしいわ』
「Aも子供を作ったら?」
内緒話のように耳打ちされた言葉にAは首を振った
『私、ハリーの時に思い知ったけど、子供の世話はどうにも苦手。シリウスも子供は好きだけど、お世話は大変そうだって諦めたの。それに、2人きりがいいって彼が言うんだもの』
Aはそう言って照れたように頬に手を当てた
そんなAをリリーは呆れたように見たあと、シリウスを見て、仕方ないか、というふうにため息を吐き出した
リリーはこの2人のラブラブ度が学生の頃から他より頭一つ抜けていると思っているのだ
そしてその考えは今でも間違っていない、と断言出来る
テントを張り終えたシリウスにAは引っ付いてテントの中に入っていくのをリリーはジェームズに歩み寄りながら見つめた
「本当だと思うかい?」
テントに入った後ろ姿を見つめながらジェームズが深刻そうに聞いた
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サンマ(プロフ) - ボガリズエッドさん» こちらこそありがとうございます!感動していただけて良かったです! (2023年3月13日 9時) (レス) id: e98e7ad213 (このIDを非表示/違反報告)
ボガリズエッド(プロフ) - 素敵な作品に出会わせていただき、ありがとうございます!!最初から一気読みしました。こんなにも納得できて全員幸せなお話感動しないわけが無く、ただいま余韻に浸っています。最高です!! (2023年3月12日 22時) (レス) @page38 id: f1342d7e58 (このIDを非表示/違反報告)
サンマ(プロフ) - 七志さん» こちらこそお読みいただいて、ありがとうございます!この作品のシリウスはかなりかっこよく作ったつもりだったのでそう言っていただけて嬉しいです!! (2023年3月9日 18時) (レス) id: e98e7ad213 (このIDを非表示/違反報告)
七志(プロフ) - 【1】から一気読みしてしまいました…!!文章の作りや言葉が綺麗で読みやすく、イチャイチャにきゅんきゅんして、ハッピーエンドでとても面白かったです! シリウスかっこいい!最高です!ありがとうございました! (2023年3月9日 11時) (レス) @page38 id: 83eeb09375 (このIDを非表示/違反報告)
サンマ(プロフ) - 柊木さん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます!こちらこそ読んでくれてありがとうございました! (2023年1月4日 15時) (レス) id: e98e7ad213 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サンマ | 作成日時:2022年12月1日 13時