49. ページ50
｢スネイプの方にも虐められる原因はあった。あれは……あの言葉は本気だったわ。耳がよく聞こえるあなたは人の本音まで聞き取ってしまうんでしょう？
なら、見なくても分かったはずよ。あれが彼の本心なの｣
確かにAが聞いた限り、スネイプは嘘などついているような息の仕方ではなかったが、どこか切羽詰まったような感じではあった
『まぁ、それは少し……彼は、戸惑ったんだと』
｢A、もういいの。それにあなたまで侮辱したのを私は許せない。私には関係ない事だったんだわ｣
Aは前世の頃からスネイプよりシリウスが好きで、シリウスと同じくらいハリーが好きだ
だからこそ、スネイプのことを同情はせど、彼らより好きになどなれるはずもなかったため、Aはどうやってスネイプを庇えばいいのか分からなかった
『リリー、変身術の復習をしましょ』
Aがそうやって話をそらすと、リリーは少し悲しそうに頷いて、談話室へと戻って行った
＊
次の日のリリーのジェームズ達に対する嫌悪感は凄まじかった
挨拶さえも無視し、Aがシリウスに話しかけようとすることさえ許さなかった
そしてスネイプのことを口にすることさえやめた
最初はリリーのためだ、と思いシリウスと距離をとっていたAだったが、それが7月になるまで続くと、さすがに音を上げた
リリーはそんなAに気づき、少しの時間ならシリウスと会うことを許した
｢エバンズは母親みたいじゃないか？｣
シリウスはAの太ももに頭を乗せて寝転びながら言った
『リリーは私を心配してくれてるのよ。だから少し過保護になっちゃうだけ』
Aはそんなシリウスの頭を撫でながら言った
あれ以来シリウスはかなり大人しくなった
シリウス自体は今でもかなり好戦的だが、ジェームズが誰彼構わず呪いをかけることが減ったため、それと同時にシリウスが調子に乗る機会が少なくなっていったのだ
ジェームズはリリーにガツンと言われたおかげで少しだけ大人になれなのだろうか
『シリウス、あなたももう少し大人になるといいわ』
Aが言った
そんな彼女の言葉にシリウスはキョトンとした顔をしたあと、Aのお腹に顔を着けて彼女を抱きしめ、小さく唸るだけに留めた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 162人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サンマ(プロフ) - 小夜さん» ありがとうございます。盲目を書くのは私も初めてなので、表現しきれてないところもあると思いますが、最後まで読んでくれると嬉しいです！ (2023年1月3日 21時) (
レス) id: e98e7ad213 (このIDを非表示/違反報告)
小夜 - 盲目の夢主の小説初めてです！本当に綺麗で素敵な物語で、読みながら夢主の感じてるものがすごく伝わってきます！！シリウスの良い所もすっごく出てて大好きです！！応援してます！(: (2023年1月3日 14時) (レス) @page35 id: e0f7d925b4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サンマ | 作成日時：2022年9月4日 22時
