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『私が試験に落ちたら、んっ……どうしてくれるのよ』
Aは赤くなった頬をそのままにシリウスを咎めるように睨みつけた
目を閉じているそれは今のシリウスからしてみれば睨んでいるのではなく、キスの催促にしか見えなくて思わず笑ってもう一度キスをした
＊
5年生最後の冬が過ぎ、春が訪れ、O.W.L試験の最後の追い込みが始まった
流石のAももうシリウスの甘い空気を相手にする余裕もなく、少しでもシリウスがそんな空気を醸し出そうとしただけで、焦点の合わない目、据わっているように見える瞳を晒して睨みつけてきた
流石に何回もやられてしまえばシリウスも堪えるもので、試験追い込みのAには勉強だけを教えよう、と固く誓った
6月が来れば、みんなどんよりとしていた
暑い上に試験が待ち構えている
Aは魔法薬学を自信がある、と言えるところまで仕上げたが、魔法史は本当にてんで分からず、最後までちんぷんかんぷんだった
『最悪、きっと魔法史は落ちたわ』
｢大丈夫よ！あんなに勉強したじゃない。それに、次は闇の魔術に対する防衛術よ。あなたが大得意な｣
『えぇ、きっと大丈夫』
リリーの応援にAはそうは言ったが、それでも不安は拭いきれなかった
次の試験はあの事件が起きる前のことで、ハリーが見てしまう光景になるのだ
魔法史だけでなく、別の意味でもAをソワソワさせ、緊張させる要因だった
実技はハリーたちがしたように守護霊の召喚だった
『エクスペクト・パトローナム』
Aが召喚したのはパトローナスの青白い色味に相応しすぎるクラゲだった
クラゲはAの周りをゆらゆら漂っており、それを見た試験官はうっとりとそれを見つめ、満足そうに頷いた
それから筆記のテストの時間がやってきた
Aの筆記試験は手袋をつけて、他の生徒と同じような答案用紙と問題用紙だった
手袋でなぞりながら考えるのは少し難しいかもしれない、とダンブルドアはAが少しでもフェアになるように考え、テスト開始の10分前から問題文をなぞっていいことにしてくれた
確かにパッと問題文を見て、部分的な文章で何を答えさせたいのか分かるのは目が見える人ならではの特権だ
それが出来ないAは時間的にも問題数的にも完全に不利だった
｢あと5分！｣
フリットウィック先生の声がする
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サンマ(プロフ) - 小夜さん» ありがとうございます。盲目を書くのは私も初めてなので、表現しきれてないところもあると思いますが、最後まで読んでくれると嬉しいです！ (2023年1月3日 21時) (
レス) id: e98e7ad213 (このIDを非表示/違反報告)
小夜 - 盲目の夢主の小説初めてです！本当に綺麗で素敵な物語で、読みながら夢主の感じてるものがすごく伝わってきます！！シリウスの良い所もすっごく出てて大好きです！！応援してます！(: (2023年1月3日 14時) (レス) @page35 id: e0f7d925b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サンマ | 作成日時：2022年9月4日 22時
