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｢最悪だ｣
｢オエッて感じ｣
シリウスとジェームズが顔を見合せて言った
『じゃあ、みんなでお出かけね？早く行きましょ』
Aは見えているようにその光景に笑って、ソファから立ち上がった
＊
シリウスと恋人になってからはAはまるで世界が見えているかのように感じた
もちろん見えはしないのだが、シリウスから聞く情景や人の仕草などはAに新しい目を与えたのだ
｢A、俺の顔を見せるのは無理だけど、触ることは出来るだろ？｣
『えぇ』
Aは恐る恐るシリウスの顔に触れた
頬だ
そして中心にいけば高い鼻、少し斜め上にいけば綺麗な形の目がある
髪の毛は男子にしては少し長いように感じた
『あなたは凄くかっこいいって噂されていたけど、触っても、あまりよく分からないわ』
｢じゃあ、俺はかっこよくない？｣
『ううん、絶対にかっこいいわよ』
シリウスの意地悪な質問にAは首を振って否定した
触れば触るほど、愛おしさが溢れてくる
『好きよ、シリウス』
｢俺も好きだよ｣
そう言って笑い合い、2人はキスをした
｢A、目を開けて？｣
シリウスにそう言われると、Aは少し躊躇いがちに焦点の合わない瞳を瞼から晒す
現れた綺麗な青い瞳にシリウスはしばしば目を奪われた
｢みんなが君の美しさに気づいたら困るな｣
シリウスの甘く囁くその言葉にAは照れたように斜め下に俯き、目を狼狽えるように俯いた方へ動かした
『そんなこと……』
｢キスで目にかけられた呪いが解けるといいんだが｣
『目の呪いはダンブルドア先生が仮定しているだけよ。ただ私のは治せないだけなのよ』
Aはそう言って肩を竦めた
だが、本当にAもそう思っているわけではなかった
ある意味これは呪いだ……
神が与えた呪いなのだ
神に何かを与えられたのなら、何かを返すのが当然だろうし、その“何か”は人間では選べない
｢君の瞳は美しすぎて、神が嫉妬して奪い取ったんだろうな｣
シリウスはそう言って、Aの目元を撫でた
｢可愛い、A。ずっと離れないでくれ｣
『シリウスこそ、私から離れないで』
決して……
同じような未来が起ころうとしていたとしても
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サンマ(プロフ) - 小夜さん» ありがとうございます。盲目を書くのは私も初めてなので、表現しきれてないところもあると思いますが、最後まで読んでくれると嬉しいです！ (2023年1月3日 21時) (
レス) id: e98e7ad213 (このIDを非表示/違反報告)
小夜 - 盲目の夢主の小説初めてです！本当に綺麗で素敵な物語で、読みながら夢主の感じてるものがすごく伝わってきます！！シリウスの良い所もすっごく出てて大好きです！！応援してます！(: (2023年1月3日 14時) (レス) @page35 id: e0f7d925b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サンマ | 作成日時：2022年9月4日 22時
