Sirius Black ページ40
Aは驚きで目を見開き、思わずウィリアムから体を離した
シリウスはそんな彼女を見て、後悔と悲しみで顔を伏せた
｢言おうと思っていた。君がウィリアムの存在を疑い始めた辺りから……でも、俺は、言えなかった……。君に嫌われるのが怖くて、嘘をついていたのを責められるのが怖くて……｣
静かな廊下にシリウスの声だけが響く
｢君を利用していないと言ったが、利用していたも同然だ。目が見えないのをいいことに、嘘までついて、ブラック家の長男という肩書きから解放されたかった。すまなかった｣
沈黙が訪れた
Aは何も言わずに虚ろな目でシリウスの顔を探し当てようとしていた
『ウィ……シリウスは私に嘘をついて、楽しんでいたの？』
｢そんなわけない！言おうとは思ってた。でも君に、嫌われたくなくて……いや、こんなのは言い訳に過ぎないよな｣
涙は驚きですでに引っ込んでいた
『私、ウィルといる時間がとても楽しかったの。それは嘘だった？私を気遣っていた？』
シリウスは首を振った
だが、Aが首を傾げたのを見て、ハッとしてもう一度自分を恥じた
｢いや、嘘じゃない。俺も君といる時間は楽しかった。凄く｣
その言葉を聞くと、Aの顔に微笑みが現れた
『私ね、前に言ったでしょう？あなたの名前がどんなのだろうと構わない。私に裏表なく、接してくれるならって。
シリウス、あなたはずっとそうしてきてくれてた。だから私があなたを嫌いになることは一生ないわ』
シリウスは伏せていた顔を咄嗟に上げてAを見つめた
Aは涙で赤くなった目を開いて、笑いかけていた
昇る朝日を背景にしたAの笑顔は酷く儚く、それでいて美しい、一枚の絵画のようだった
シリウスはその美しさに息を呑み、目を見開いて彼女を見つめた
『シリウス、私ね、あなたが好きよ』
外見や家柄なんて関係ない
ウィリアムだろうとシリウスだろうと、あなただから私は好きになったのだ
｢俺も、Aが好きだ。ずっと前から好きだった｣
シリウスはそう言うとAを優しく抱きしめた
『嬉しい。私、こんなに嬉しいのホグワーツに入学して以来だわ』
Aはそう言ってシリウスを抱き締め返した
今までシリウスには嫌われていると思っていたが、本当はこんなにも好かれていたことにAの心は徐々に暖かく、幸せに満ち溢れていった
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サンマ(プロフ) - 小夜さん» ありがとうございます。盲目を書くのは私も初めてなので、表現しきれてないところもあると思いますが、最後まで読んでくれると嬉しいです！ (2023年1月3日 21時) (
レス) id: e98e7ad213 (このIDを非表示/違反報告)
小夜 - 盲目の夢主の小説初めてです！本当に綺麗で素敵な物語で、読みながら夢主の感じてるものがすごく伝わってきます！！シリウスの良い所もすっごく出てて大好きです！！応援してます！(: (2023年1月3日 14時) (レス) @page35 id: e0f7d925b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サンマ | 作成日時：2022年9月4日 22時
