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人がいなければウィリアムがそばにいる、とことわざが出来そうなほどウィリアムは誰のそばにもいないAを見つけるのが得意だった
『ウィル、私といるのがそんなに恥ずかしいの？』
笑いを堪えながら聞けばいつもウィリアムは慌てて否定する
｢そんなんじゃないさ｣
Aは杖で鳥を呼び寄せる
『ねぇ、ウィル、私そろそろ気づいてるわ』
呼び寄せられた鳥を手に乗せて撫でてやりながらAは言った
｢な、にが？｣
ウィリアムは少し狼狽えたように聞き返す
『あなたはウィリアム・テイラーって名前じゃないのね』
Aの言葉にウィリアムは黙り込んだが、それが答えだった
『3年生の頃から薄々そうじゃないかって思ってた……でもいいの。私は友達がどんな名前でも、例え誰にもバレたくないとしてもどうでもいいの。私と裏表なく仲良くしてくれるなら』
｢あ……いや、俺…｣
『そういえば、ウィル、前に医務室に来なかった？』
Aがあの時の違和感を聞くと、ウィリアムは驚いた顔でAを見た
｢いや、行ってないけど｣
『そう？あなたの気配がした気がしたの。気のせいだったかも』
そう言ってAは肩を竦め、鳥に餌をやった
｢俺が恋しかった？｣
ウィリアムのらしくない言葉にAはクスクスと笑った
『えぇ、恋しかったのかもしれないわね』
Aが笑っている姿を見て、ウィリアムは心臓がギュッと締め付けられるのを感じた
それが俗に言う恋心だとは誰も思わない
『でもね、ウィル。本当に目が見えないっていうのは、人を寂しくさせるわ』
Aのいつになく悲しげな声色に、ウィリアムは思わず手を握って、更には口を開き、何かを言おうとした
だが、Aが握られた手を照れくさそうに握り返したことで、その口は閉ざされ、手を繋ぐだけにとどまった
ウィリアムと手を繋いで談笑しあった数十分の時間はAにとって素晴らしい時間だった
Aはもう、認めざるを得なくなっていた
自身が好きなのはシリウス・ブラックではなく、ウィリアム・テイラーなのだと
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サンマ(プロフ) - 小夜さん» ありがとうございます。盲目を書くのは私も初めてなので、表現しきれてないところもあると思いますが、最後まで読んでくれると嬉しいです！ (2023年1月3日 21時) (
レス) id: e98e7ad213 (このIDを非表示/違反報告)
小夜 - 盲目の夢主の小説初めてです！本当に綺麗で素敵な物語で、読みながら夢主の感じてるものがすごく伝わってきます！！シリウスの良い所もすっごく出てて大好きです！！応援してます！(: (2023年1月3日 14時) (レス) @page35 id: e0f7d925b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サンマ | 作成日時：2022年9月4日 22時
