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突然違う部屋、違う場所に送られるわけが無いし、突然円満だった家族から見捨てられることも、健康良児だったAにとって目が見えなくなる、なんてことはありえない
だから、つまり、違う世界、転生したのだ
Aの願いは叶えられたのだ、と予測した
何もいらないから、シリウスに……という、あの願いは星だか月だか神だかによって叶えられ、Aはその下準備としてここにいるのだ
これはある種の現実逃避に近かったが、そうでもしなければ思考の整理など一生できたものでは無いし、パニックに陥って泣き出しそうだった
Aはベッドからおり、ワンピース型の寝巻きのまま壁伝いに先程女の声がした方へ歩き、色んな場所を触り、床に食事のトレーがあるのを見つけた
食事は味気なく、美味しいとは感じなかった
食後に部屋を一周したが、ここは約100平方フィート(6帖)程の広さのくせにベッド以外なにもなく、窓はベッドに寝そべって左側に出窓があるだけで、扉もベッドの右側の直線上に1枚あるだけだった
窓を開ければ、草原が吹かれる音が近く、このはの揺れる音が遠いことから1階の部屋だと、想定できた
ここまですればあとはやることが無くなったので、Aは体を動かすことにした
こんなに広いのに何も置いていないのだからやることといえばそれくらいしか無かった
＊
それから数ヶ月、同じように過ごした
同じように食事を持ってこられ、同じように食後に運動し、見えない目に慣れるために歩き回って感覚を研ぎ澄ました
女から聞けた情報はここはロンドンの田舎の方にある小さな孤児院で、村の子供たちからは廃墟と呼ばれているほど古い屋敷らしい
今は1971年、これはすごく粘って聞き出した、8月10日だという
女は毎回Aが質問する度に面倒くさがって教えてくれなかったり、教えたとしても目が見えないことをバカにしたり、鬱憤が溜まっていたら口を開いただけで怒鳴り散らしたりした
劣悪な環境だ
だが、1971年の8月ということはもうすぐホグワーツの入学の日がやってくる
シリウスたちの……
Aは予測通りになって欲しくてワクワクしていた
ようやく、この劣悪な環境から開放される時が来るのだ、とも
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サンマ(プロフ) - 小夜さん» ありがとうございます。盲目を書くのは私も初めてなので、表現しきれてないところもあると思いますが、最後まで読んでくれると嬉しいです！ (2023年1月3日 21時) (
レス) id: e98e7ad213 (このIDを非表示/違反報告)
小夜 - 盲目の夢主の小説初めてです！本当に綺麗で素敵な物語で、読みながら夢主の感じてるものがすごく伝わってきます！！シリウスの良い所もすっごく出てて大好きです！！応援してます！(: (2023年1月3日 14時) (レス) @page35 id: e0f7d925b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サンマ | 作成日時：2022年9月4日 22時
