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『誑かされてないわよ。リリー、誤解してるわ。彼は私を利用しているわけじゃない』
怒るリリーに務めて冷静な声でAは言い聞かせるように言った
｢あぁ、でも、僕に頼まなきゃいけないくらい必死なら、探しておくよ。見つけたら、エバンズとAがいる時に目の前に差し出す｣
Aのところを強調して言ったことに対し、Aは微笑んでジェームズを見上げた
『ありがとう、ジェームズ』
｢ありがと、ポッター｣
渋々だということが丸わかりな声でリリーが言った
｢お安い御用さ、お嬢さん方｣
ジェームズは特に気にした様子もなくそう言うと、待っていたシリウスと一緒に男子部屋へと駆け上がって行った
『そうだ、リリー。前に私の瞳がどうって言ってたでしょ？』
リリーの関心を逸らすため、Aは思わずそう言った
これ以上リリーの前で彼の話をするのはやめよう、とも決めた
｢あぁ！Aの瞳は本当に綺麗なのよ。青色なんだけど、湖や海と同じくらい深くて綺麗なの｣
『よくわかんないけど、ありがとう』
Aは照れたように笑った
もちろんそれは前世でも両親に言われたことがある褒め言葉だった
それに、Aも目が見えていた時の自分の容姿を未だに思い出せるので、内心は困惑していなかった
｢髪の毛だって、ブラウンでとっても素敵だわ。あなたこそ自然の色を混ぜ合わせた美しい人よ｣
リリーの褒めちぎりはその後、まったく止まることなく、私の前では目を開けて欲しい、とさえ言われてしまった
それにはもちろんAは丁重にお断りした
見えないのに目を開けておくのはなんだか、とても滑稽なように思えたのだ
＊
木の陰で本の内容を手袋でなぞっているAを見つけ、ウィリアムは近づいた
｢A｣
『ウィル？よく分かったわね』
｢後ろ姿でわかるよ｣
ウィリアムはそう言ってAの隣に腰を下ろした
｢リリーは？｣
『ジェームズに連れて行かれたわ。最後まで行きたくないって言ってたけど、急用みたいだったの』
Aの言葉にウィリアムはふーん、と何か知っていそうな声色で頷いた
『ウィル、そろそろあなたが何者なのか教えてくれても良くない？』
Aは本を閉じて、眉を寄せてウィリアムを見つめた
｢……Aは嘘つきってどう思う？｣
『またはぐらかすのね？』
ウィリアムの質問にAは呆れたように笑って言った
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サンマ(プロフ) - 小夜さん» ありがとうございます。盲目を書くのは私も初めてなので、表現しきれてないところもあると思いますが、最後まで読んでくれると嬉しいです！ (2023年1月3日 21時) (
レス) id: e98e7ad213 (このIDを非表示/違反報告)
小夜 - 盲目の夢主の小説初めてです！本当に綺麗で素敵な物語で、読みながら夢主の感じてるものがすごく伝わってきます！！シリウスの良い所もすっごく出てて大好きです！！応援してます！(: (2023年1月3日 14時) (レス) @page35 id: e0f7d925b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サンマ | 作成日時：2022年9月4日 22時
