23. ページ24
｢この……！ポッター！ブラック！ルーピン！ペティグリュー！今度とと言う今度は許さん！！｣
｢さぁ、みんな！逃げろ、逃げろ！｣
フィルチの怒りの叫びとは正反対の楽しげなジェームズの声が庭に響き、生徒たちは蜘蛛の子を散らすように四方八方へ逃げ出した
｢エバンズ！早く逃げた方がいいよ。盲目の少女まで一緒じゃないか！｣
ジェームズの声がより近くから聞こえたため、Aたちがいる方へ逃げ出したことは明らかだった
｢手を離しなさい！ポッター！｣
｢そんなこと言ってるとフィルチに捕まるぞ！行くぞ！｣
リリーの怒っている声とジェームズの笑い声はどんどん遠ざかり、Aも誰かに手を引かれ、走り出した
『ウィリアム？』
手の引き方、走り方、腕の掴み方、全てに覚えがあり、Aは走りながら首を傾げた
悪戯仕掛け人と一緒だったのか？
それとも別のところから来た？
『あっ！リリーは？』
急ブレーキをかけて、リリーたちの声が聞こえなくなったことに気がついた
｢ごめん、A。急がないとだったからさ｣
その声は確かにウィリアムの声だった
『やっぱりあなたね』
｢なんで僕だと？｣
ウィリアムが驚いたようにAを見る
『私は他の人よりだいぶ五感が優れてるって聞いてないの？あなたの足音や腕の引っ張り方で分かったわ。
あなたは荒々しく走るくせに引っ張るのは紳士的で気遣いを感じるの。知らないでしょう？』
Aは興奮気味に得意げに言った
｢凄いな、全然知らなかった、というより知る術もない｣
ウィリアムは笑いながら言った
『それもそうね』
｢それより、イタズラはどうだった？初めてだろ？見るの｣
『凄かったわ。見えてないけど、音だけで分かる。目が見えてる彼らは私よりもそれはもう、凄く楽しんだでしょうね』
Aはゆっくりと歩きながら笑って言った
｢それなら良かった。僕もあれは大好きなんだ｣
『リリーは悪戯仕掛け人なんて迷惑な人達って言ってたけどね』
クスクス笑ってAが言うと、ウィリアムは頷いた
｢確かに言いそうだ｣
『リリーと面識が？』
Aは首を傾げる
｢いや、言いそうな感じってこと｣
『あぁ、そう見えるの？』
｢あぁ、見るからにキツそうな顔立ちだしね｣
ウィリアムの包み隠さない言葉にAは吹き出した
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 162人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サンマ(プロフ) - 小夜さん» ありがとうございます。盲目を書くのは私も初めてなので、表現しきれてないところもあると思いますが、最後まで読んでくれると嬉しいです！ (2023年1月3日 21時) (
レス) id: e98e7ad213 (このIDを非表示/違反報告)
小夜 - 盲目の夢主の小説初めてです！本当に綺麗で素敵な物語で、読みながら夢主の感じてるものがすごく伝わってきます！！シリウスの良い所もすっごく出てて大好きです！！応援してます！(: (2023年1月3日 14時) (レス) @page35 id: e0f7d925b4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サンマ | 作成日時：2022年9月4日 22時
