18. ページ19
男子生徒は軽々しい足音で階段をおりて、またAの前に立って話しかけた
｢グリフィンドールなら次一緒だろ？早く行かないと。次は魔法薬学だから｣
『あ、りがとう。手袋も見つかったし、もう大丈夫』
これ以上迷惑はかけられない、とAは首を振った
｢そうか。なら、先行ってる｣
『えぇ』
Aは鞄を肩にかけ直し、手袋をつけ直して男子生徒の後を追おうとした
｢いや、やっぱり｣
男子生徒は急にそう呟くと、Aの手を取った
｢走った方がいいだろ。君、名前は？｣
『え？あ、A・メイフィールドよ。走った方がいいなら早く行った方が…うわっ！』
彼を急かそうとした瞬間に手が引っ張られた
｢だから一緒に行くんだろ｣
男子生徒はそう言うと、廊下を走り、階段はAを気遣うものの、急ぎ足で、ほとんどAを抱えるようにして飛び下りた
『そ、そんなに時間が無いの？』
いつの間にそんなに経っていただろうか…
Aは目が見えないのに他人に振り回される恐怖と、ジェットコースターのようで少しだけ楽しい気持ちとが綯い交ぜになった
｢目が見えない人に合わせてたら遅れるってだけだ｣
男子生徒は楽しそうにそう言って、地下へと駆け込んだ
『はぁ、はぁ』
｢ふぅー、ここまで来れば平気だ。間に合ったな｣
男子生徒はそう言ってAの肩を優しく叩くと、1人で魔法薬学の教室へと入ってしまった
Aも久々に走ったせいで荒れ狂う心臓を沈めながら、魔法薬学の教室の扉を手探りで開けてリリーがいる机へと向かった
｢A、大丈夫だった？｣
『うん、平気』
リリーの問いかけにAは頷いて答えた
そしてちょうどスラグホーンが奥から入ってくる音がした
｢やぁやぁ、みんな揃っているね｣
スラグホーンは陽気にそう言うと、授業を開始した
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 162人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サンマ(プロフ) - 小夜さん» ありがとうございます。盲目を書くのは私も初めてなので、表現しきれてないところもあると思いますが、最後まで読んでくれると嬉しいです！ (2023年1月3日 21時) (
レス) id: e98e7ad213 (このIDを非表示/違反報告)
小夜 - 盲目の夢主の小説初めてです！本当に綺麗で素敵な物語で、読みながら夢主の感じてるものがすごく伝わってきます！！シリウスの良い所もすっごく出てて大好きです！！応援してます！(: (2023年1月3日 14時) (レス) @page35 id: e0f7d925b4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サンマ | 作成日時：2022年9月4日 22時
