William Taylor ページ18
｢あーあ、怖い、怖い｣
本当にバカにした声色でそう言って、女子生徒2人はAが身につけていた手袋を2つとも外してしまった
｢これであんたが嘘つきだってのがみんなにバレるわけだ｣
｢まぁ、本当に見えなかったとしても、目が見えなくて、道具にばっか頼る人は魔女になれないんじゃない？｣
女子生徒2人は大笑いしながら呪文学の教室を出ていった
2人の音が遠ざかってすぐにAは床に座って手で床を撫でた
見つけなければならない
Aは懸命に手袋を見つけようと、床をベタベタと触った
この姿がどう見えるか、どんなに間抜けか、なんて見えない自分でもよく分かるほど必死に、地面をグルグルと回っている
まずい、泣きそうだ
取られたあと、おそらく蹴った音もした
だから見えない状態では探そうにも1時間はかかりそうだった
次の授業にも遅れるし、さっきの意地悪な彼女たちの言う通り、目が見えないとやっていけない事への証明になってしまいそうで悔しかった
悔しい、悲しい、苦しい
アクシオを覚えてないから呼び寄せることも不可能だ
廊下から足音がするのも構わず、Aは探し続けた
｢なぁ、これか？｣
急に話しかけられ、Aは探す手をピタリと止めて、声のした方を見上げた
恐る恐る手を伸ばせば触りなれた手袋の感触
『こ、れ……どこに？』
どこか、なんて言われても分かるわけないが、聞かずにはいられなかった
｢扉の横側に落ちてた。大丈夫か？｣
男子生徒は心配そうに聞いた
『ありがとう、大丈夫』
｢なら、良かった｣
そう言うと男子生徒は段になっていた座席の上の方へ行き、机の中から何かを取りだしていた
『ねぇ、あなた名前は？』
Aは音のするほうを振り向いて聞く
｢あー……ウィリアム。ウィリアム・テイラー｣
『テイラー？』
主要人物ではなかったことにAは内心ガックリしたが、それでも助けてくれた彼に好感を抱かずにはいられなかった
｢そうだ｣
『かっこいい名前ね』
｢……よくある名前だよ｣
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サンマ(プロフ) - 小夜さん» ありがとうございます。盲目を書くのは私も初めてなので、表現しきれてないところもあると思いますが、最後まで読んでくれると嬉しいです！ (2023年1月3日 21時) (
レス) id: e98e7ad213 (このIDを非表示/違反報告)
小夜 - 盲目の夢主の小説初めてです！本当に綺麗で素敵な物語で、読みながら夢主の感じてるものがすごく伝わってきます！！シリウスの良い所もすっごく出てて大好きです！！応援してます！(: (2023年1月3日 14時) (レス) @page35 id: e0f7d925b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サンマ | 作成日時：2022年9月4日 22時
