I wish… ページ2
A・メイフィールドは満点の星が瞬き、大きな満月が浮かぶ夜空に向かってこう願った
──どうか……どうかお願いです……
シリウスに、彼に愛されるのなら……
私はもう、何もいりません──
その日、彼女はその世から消え去った
何もいらない、という彼女の強い願いは天高く輝く星々に届き、美しく光る満月へと届いた
Aは微睡みの中で目が覚めた
覚めた、と言うには少し視界がおかしかった
少しの白を残して、彼女の視界には何も映らなかった
目を開けてはいるのだが、全く映らない
寝ぼけているのだ
いったいどうして、昨日まで見えていたはずの景色が見えなくなるだろうか
Aは首を振って、未だ覚醒しない脳みそに従って、もう一度布団に深く潜り、眠りについた
だが、そのまま落ちていくはずだった意識は強めなノックの音で引き戻された
｢起きてるんでしょう？｣
冷たい女性の声が扉越しに聞こえた
だが、おかしいのはAの部屋にあった扉とは違う方向から聞こえていること、そしてこんなに冷たくしてくる女の声をAは知り合いに持たないことだった
一体誰だ、こんな変な夢の訪問者は……
Aはそう思いながら渋々起き上がり、声を上げた
『誰？』
ガチャと扉の音がし、もしかしたらもう見えているかもしれない、と希望を持って開けた目がまだ見えないことに落胆した
｢目を開けないで、と言ったでしょう？あなたは目が見えなくていつも虚ろで気持ちが悪いのよ｣
冷たい女はなんの断りもなく部屋に入って一番にそう言った
｢それと、誰、じゃなく、どうぞ、と言うべきだわ。私はあなたに食事を持ってきてあげてるんだから｣
『ごめんなさい、私……少し寝ぼけてるみたいです』
Aは慌てて目を閉じて、相手を怒らせないよう丁寧に言った
だが、Aの頭の中は混乱に混乱が混ざり合い、全くもって理解不能に陥っていた
｢まぁ、あなたは目も見えなければ頭も悪くなったのかしら。親が捨てていくわけね｣
捨てられた？！
思わず大声を出しそうになってしまい、Aは喉をしめて、すんでのところで堪えた
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サンマ(プロフ) - 小夜さん» ありがとうございます。盲目を書くのは私も初めてなので、表現しきれてないところもあると思いますが、最後まで読んでくれると嬉しいです！ (2023年1月3日 21時) (
レス) id: e98e7ad213 (このIDを非表示/違反報告)
小夜 - 盲目の夢主の小説初めてです！本当に綺麗で素敵な物語で、読みながら夢主の感じてるものがすごく伝わってきます！！シリウスの良い所もすっごく出てて大好きです！！応援してます！(: (2023年1月3日 14時) (レス) @page35 id: e0f7d925b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サンマ | 作成日時：2022年9月4日 22時
