15話 ページ16
そのまま北は美南と一言も話さずに朝食を食べ、学校へ登校した
『ほんっとにすまんて!』
北の少し後ろを歩きながら美南は申し訳なさそうに言う
『なぁ、信介、お願い許してえや。説教中にふざけてすまん。洗濯物そのままにしてすまん!いつも起こさせてすまん。どうしても直せないんや。ごめんよー』
学校付近まで来た時、双子と鉢合わせ、北にずっと謝ってる美南に双子は顔を見合わせて首を傾げた
「おはざーす!何しとるんです?」
侑が聞いた
「おはよう。侑と治は気にせんでええよ。こいつの落ち度やねん」
珍しく美南に辛辣な北に双子は目を見開く
『なぁ、信介』
「部活行くで」
北は最後まで美南を無視して体育館へ向かった
『さ、最悪や』
美南は今まで見せたこともないほど蒼白な顔でそう呟く
「マジで黒崎さん何やらかしたん?」
治は心配げに聞いた
『なんでもないねん。ほら、練習行きや』
美南は焦ったようにそう言って走り出した
その日の朝練中、北は部活の話以外ずっと美南を無視したし、美南も気まずげに北と話していた
流石に部員たちも喧嘩だと気づいた
あのミスター・隙なしの北信介が、熟年夫婦とまで言われるほど信頼関係を築いている美南と喧嘩するとは!
『信介、ほんまにごめんなさい』
朝練が終わり、授業になる前に美南はもう一度ダメ元で謝った
「……もうせんか?」
『うん。信介に許されるならもうせん』
美南は北の机の前にしゃがんでいて、必然的に上目遣いになっていた
「分かった。それなら許したる。もうええよ」
北はそう言って微笑んだ
『ほんまに?ありがとう』
美南は笑ってそう言い、北の前にある自分の席に座った
北がここまで怒ったのはあんな安易に男を煽るようなことを口にしたからで、ズボラな性格を怒っていたわけではないのだが、美南はこれから洗濯物はちゃんと籠に入れよう、と固く決意した
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あまね(プロフ) - 完結おめでとうございました!久しぶりに見てめちゃキュンさせてもらいました!ありがとう御座います! (11月18日 0時) (レス) @page39 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
あい - Eカップは大して珍しくないですよ。 (2023年1月4日 9時) (レス) @page10 id: ab06a6fc10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サンマ | 作成日時:2021年11月21日 18時