絶滅危惧種の女の子

13話 ページ14

｢なぁ、女子風呂ってことはサッカー部のマネージャーおるかな？｣


侑のコソコソできてないコソコソ声が聞こえる


｢サッカー部ってマネージャーおったっけ？｣


治のコソコソできてないコソコソ声も聞こえた


｢おったらどないする？今この隣に入ってたらどないする？｣


『どうもせんやろ』


侑の言葉に美南が湯船から出て、とうとう声を上げた


男子風呂は一気に静かになった


水音1つしない


『覗き見は犯罪やぞ双子』


美南はそのまま脱衣所に出た


｢おい、黒崎さんに引かれたやんか！サムのせいや！｣


｢お前が先に話し出したんやろうが！このアホツムが！｣


そんな声が女子の脱衣所の方まで聞こえてきて、美南はまたため息を吐いた


パジャマを着て、脱衣所に置かれているドライヤーで髪を乾かした後、外に出ると、北が怒ったような顔で男子風呂に向かおうとしていたところに鉢合わせた


『お、信介。説教か？』


｢この自販機使ったやつからうるさいって苦情きたねん｣


風呂場の近くの一角には自販機とベンチが置いてある


サッカー部の奴らか


『ほんまに難儀なもんやなぁ、主将って』


｢美南、双子はどうやった？｣


『んー？まぁ、うるさかったわ』


その言葉を聞いて北は男子風呂の脱衣所に入っていった


｢うわっ！北さん！？待ってや！説教待って！俺今、裸や！｣


侑の焦ったような声が聞こえた


自業自得やな、侑


美南はそう思いながら自販機をチラ見して、何も飲みたいものがないのを見てからマネージャーの部屋へ向かった


その間に北の、早よ服きろや。説教や、の声が聞こえた

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