イントロ。２

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「どういたしまして」


口々に答えてくれた、みんなに。
にこにこ顔の、たあ君。


プレゼントをくれた、
一人一人の名前を確かめ始めた。


「たあく、に、プゼレントくでた。
あーと。
まぅ、しょうちゃ、ゆうく、あいちゃ、
まなちゃ、ばあちゃ、」



たあ君にプレゼントくれた。

ありがとう。

丸、章ちゃん、裕くん、亜衣ちゃん、
茉波ちゃん、おばあちゃん。


うちの親は、なんて呼んでええんか、
ちょっとためらった顔してて。


そしたら、おとんが、


「たあ君の、
じいちゃんとばあちゃんやで」


言うてくれてん。


目の奥、ツンときて、
俺、泣きそうなってもうて、
慌てて後ろ向く。


「じいちゃ、ばあちゃ、
あーと」


じいちゃん、ばあちゃん、ありがとう。


それからたあ君、
俺んとこまで、
ちょこちょこ歩いて来た。


俺の手を引っ張って、
Aの隣まで連れてく。


「たあくのパパ、りょぉ。
たあく、と、ママと、パパ。
ちゃーに、のかじょく」


たあ君のパパ、亮。
たあ君と、ママ、パパ、
３人の家族。


得意そうな、たあ君に、
Aはちょっと困った顔してる。


「やっぱり、二人、
再婚したんよな？」


章ちゃんに、嬉しそうに聞かれて。


「そうやねん。
今はまだ、彼氏やねんけど。
再婚、復縁ていうんか。
ちゃんとまた結婚しようと思てる」


俺が勝手に宣言した。


「ちょっと、亮、」


「彼氏やなくて、
夫婦に戻って、
二人でたあ君を育ててく。
な？A」


有無を言わせへん口調で問いかける。


A、唇を噛んで、俯いた。


まだ、うなづいてくれんし。


強引にいかんと、
俺の手からまた、すり抜けてまう。


「俺と、もう一回、結婚して欲しい。
Aとたあ君と生きていきたい」


思い余って、公開プロポーズしてもうた。


言うてから、めちゃくちゃ照れる。


Aの返事待ちで、

緊張感溢れて、
しーんと静まりかえった部屋。


急に、たあ君が、寝室に、
たっとん、たっとん、駆けてって。


なんや、思たら、
Aの結婚指輪を持って、
戻って来てん。


「ママの、だーじ、たぁからもの。
けーこんの、ちるち」


ママの大事な宝物。
結婚の印。

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