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「どしてん。
そない改まられたら、照れるやんけ」
亮ちゃんは、相変わらずで、そんなん言うてて。
お母さんは、
「立派な自慢の息子に育ってくれて、ありがとう」
涙声で、そう言うてくれた。
みんな歩き出したのに、
最後に、亮ちゃん、俺の肩、叩いて。
耳打ちしてってん。
「ほっといたら、さやちゃん、
他のやつに取られてまうで。
今日こそビシッと決めろや」
びっくりして、心臓跳ね上がったし。
「ね、錦戸先生、さっきなんて言ったの？」
さやが不思議そうな顔して、聞いてくる。
「別に、大したことちゃう」
焦って、誤魔化したけど・・・
卒業後は、
俺は、地方の大学病院で、
２年間、勤務することになってて。
さやは、この大学病院で働く。
初めて、離れてまう日が、刻々と近付いてるねん。
このままで、ええわけない。
「さや、あのさ」
「たあ君。
もうすぐ離れちゃうね」
声が重なった。
「うん、せやな」
「たあ君は平気？」
さやが、寂しそうに、俺を見上げる。
「悔しいけど、
スーツのたあ君、かっこいい。
お医者さんになったら、
モテるやろね。
寂しい」
「・・・さや」
「ごめんね。
変なこと言っちゃった」
大学前の駅に向かって、
先に歩き出した、さや。
「待ってや」
思わず、叫ぶように言うて、
手首を掴む。
心臓がばくばく言うて、
壊れてまいそう。
「俺も寂しいで。
さやと、離れんの。
そんで・・・」
言いかけた俺を振り返った、その瞳は、
ゆらゆら揺れてて・・・
あんまり綺麗で、言いたいこと、
吹っ飛んでもうた。
「お前の袴姿も可愛いで」
代りに出てきたんは、こんなセリフ。
でも、ずーっと隠してた、本音。
さや、真っ赤っかなってしもて。
恥ずかしそうに、俯く。
他の誰にも、渡されへん。
「さやが・・・ずっと、好きやった」
さやは、少しびっくりした顔して。
とびきりの笑顔で笑った。
それから、甘えて、急に抱きついてくる。
いつもと同じようで、違ってる。
「私はもっと前から大大大好きやったよ」
そんな可愛いこと言うから。
胸が掴まれたみたいになって。
ふわっと包むように、
抱きしめ返す。
始まったばっかりの、俺らの音は、
だけどずっと前から、流れてる。
両親たちが奏でてくれた、綺麗なメロディー。
その続きを、さやと、今ここから。
繋いでいくねん。
終わり。
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ひ み さ(プロフ) - 完結お疲れ様でした(*^^*) 涙流しながら読みました…色々考えさせられる素敵なお話でしたけど、ラスト私は好みです(//∇//) 最後まで書いてくださってありがとうございました♪ P.S.神様も読みました、やっぱりいいですね(≧▽≦) (2020年1月26日 6時) (
レス) id: 3389004d8b (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - お久しぶりです☆本年も宜しくお願いします(^O^)遅れちゃったけどコメ返嬉しかった〜♪私みたいな凡人が烏滸がましいけど、foolさんに共感する部分が多くて…勝手にお友達だと思ってます◎もう終盤かな？最後まで楽しみにしてます(*ﾉﾉ) (2020年1月16日 12時) (レス) id: ac3afc1999 (このIDを非表示/違反報告)
りょーくんえいたー(プロフ) - えぇめっちゃ嬉しいです(〃ω〃) ！！ やすくんと横ちょ… (2020年1月10日 7時) (レス) id: 0630fea27c (このIDを非表示/違反報告)
稲妻(プロフ) - 初めまして、連続で更新されていて楽しみになっています！これからの展開が楽しみです！ (2020年1月9日 23時) (レス) id: b45af291eb (このIDを非表示/違反報告)
りょーくんえいたー(プロフ) - 覚えててくれたなんて…(*ﾟ∀ﾟ*) めっちゃ嬉しいです！！ もう丸倉はキューピットですね笑笑 (2020年1月8日 21時) (レス) id: 0630fea27c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2020年1月4日 10時
