３ ページ48
卒業式に出席してくれてた、
うちの両親と、
さやの両親が、
４人で楽しそうに話しながら、
キャンパスの長い長い道を、
こっちに向かって歩いて来た。
「二人とも、卒業、おめでとう」
４人に口々に言われて。
「ありがとうございます」
て、かしこまって、言うたら。
「立派になって。
たあ君は、お礼は必ず、
あーと、言うてたのにあ」
て、感慨深そうに、
安田先生が言うねん。
昔は安田先生のことも、章ちゃん、て呼んでたっけ。
「何歳の時の話してるんすか」
「子供の成長はあっという間やな」
安田先生の言葉に、
「俺らも年取るわけやな」
横山先生も、しみじみしてはる。
家族写真やふた家族合わせた写真を、
守衛さんに頼んで、
正門で撮ってもろた。
俺はたくさんの人に見守られて、
愛されて、
ここまで、大きくなった。
いつの間にか、
ここにおる、
親の誰より、背が高なって。
目線は一番上やけど、
みんな、まだまだ、雲の上の、存在。
医者としてもやけど、
人としても。
世間の目とか、常識とか、価値観、
そんなもん関係なく、
愛情だけを指針にして、
俺たちに向き合うてくれてん。
そんな大人に、俺もなれたらええな、って。
今はまだ手が届かへんけど・・・
「じゃあ、おっちゃんらは、帰るわ。
二次会楽しんでき」
横山先生が言うて。
「たあ、さやのこと、ちゃんと送ってやれや」
亮ちゃんが続けた。
もう、帰ってまうみたいや。
４人、プラス、丸山先生夫婦と、
大人だけの、二次会するんかもしれへん。
「お母さん、亮ちゃん、」
思わず、声かけて、引き留めた。
「どうしたの？」
お母さんが振り返る。
うちのお母さんは、
若くて、綺麗で、誰より優しい。
「どしてん」
亮ちゃんも振り返った。
亮ちゃんも、
何歳になっても、カッコええ。
友達みたいに、俺を育ててくれた。
産んでくれた母親とは違うて、
似てるとこは何一つないけど・・・
俺の自慢の両親。
「これ・・・受け取ってくれへん？」
筒に入った、
卒業証明書を渡す。
お母さん、ちょっと涙ぐんでる。
「今日まで。
ほんまに、ありがとうございました」
ほんまの子供やないのに、
それ以上に、愛してくれて。
そんな意味を込めて、頭を下げた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 449人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひ み さ(プロフ) - 完結お疲れ様でした(*^^*) 涙流しながら読みました…色々考えさせられる素敵なお話でしたけど、ラスト私は好みです(//∇//) 最後まで書いてくださってありがとうございました♪ P.S.神様も読みました、やっぱりいいですね(≧▽≦) (2020年1月26日 6時) (
レス) id: 3389004d8b (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - お久しぶりです☆本年も宜しくお願いします(^O^)遅れちゃったけどコメ返嬉しかった〜♪私みたいな凡人が烏滸がましいけど、foolさんに共感する部分が多くて…勝手にお友達だと思ってます◎もう終盤かな？最後まで楽しみにしてます(*ﾉﾉ) (2020年1月16日 12時) (レス) id: ac3afc1999 (このIDを非表示/違反報告)
りょーくんえいたー(プロフ) - えぇめっちゃ嬉しいです(〃ω〃) ！！ やすくんと横ちょ… (2020年1月10日 7時) (レス) id: 0630fea27c (このIDを非表示/違反報告)
稲妻(プロフ) - 初めまして、連続で更新されていて楽しみになっています！これからの展開が楽しみです！ (2020年1月9日 23時) (レス) id: b45af291eb (このIDを非表示/違反報告)
りょーくんえいたー(プロフ) - 覚えててくれたなんて…(*ﾟ∀ﾟ*) めっちゃ嬉しいです！！ もう丸倉はキューピットですね笑笑 (2020年1月8日 21時) (レス) id: 0630fea27c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：fool x他1人 | 作成日時：2020年1月4日 10時
