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一週間が経つのはすごく早くて、一週間が経ったことすら気が付かない程に同じような毎日を繰り返していた。
ずっと、同じような毎日が欲しかった。
「よかった・・・、また会えた」
バーカウンターを出て、テーブルに並ぶグラスや灰皿を片付けていると急に後ろから抱きしめられて、耳元で聞き覚えのあるような、声が、した。
違う。
聞き覚えなんかじゃない、ずっと、あれからずっと耳に残っていたあの声だ。
「離して下さい」
一度言っても離さないから、体を無理やり動かして自分から離れる。
「あの・・・、やめて下さい!今後一切私に触らないで下さい」
店内にかかっている音楽も煩かったけど、あまり声を張り上げないように、それでも相手に聞こえるように言った。
「気が強い子、好きだよ」
はっきりとは見えないけれど笑いながらそう返されるから、無視をしてその場を離れた。
「Aちゃん、上手くやってね」
「・・・何をですか?」
バーカウンターの中に戻るなり、やりとりを見ていたのかマネージャーがそう声を掛けてくるから聞き返す。
「FTの藤ヶ谷太輔。ほら、あれでも一応国民的アイドルだからさ、お店のこともあるし、上手いことやってよね」
「・・・・わかりました。あの人がどんな仕事しててどんな人間なのか、私には全く興味も関係もありませんけど、お店の為ですもんね」
まあまあ、と言いながら私の肩にポンと手を置く。
「・・・でも、気を付けてね。超人気アイドルなだけあって、結構な遊び方してるみたいだから」
マネージャーが、Aちゃんも、うっかり溺れてしまわないようにね、そんな古い台詞みたいな言葉を残して、カウンターから出て行った。
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ma(プロフ) - 続きが読みたいです!!よろしくお願いいたします。 (2023年3月7日 9時) (レス) id: cb1a0ddf39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:EM | 作成日時:2017年3月11日 1時