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「ねー、いつになったら掛け持ちやめんのー?」


お昼ご飯を買いに来た北山くんと一緒にデリコーナーを歩いていると、急にそんな事を言うから聞き返す。


「あ、もう一つのバイト?」
「橘さん働きすぎでしょ」

「うーん、でも、働かないとだし」
「だけどいつも寝不足じゃん」

「ここのお昼休憩で仮眠取れるから大丈夫だよ」


いつもと同じペットボトルのアイスティーを取って、カゴに入れた。


「それが嫌なんだもん」


拗ねるように少し頬を膨らませてそんなことを言うから、余計にリスみたいに見えて可愛くて笑ってしまう。


「だって、俺いつになったら橘さんとランチ行けんの?」


北山くんは、私をよくランチに誘ってくれる。

北山くんが働いているオフィスはここから歩いてすぐだし、私の休憩の時間と被ることもあったから、気を遣ってか今までに何回か誘ってくれていた。

北山くんって、一見チャラチャラしてるようだけど本当はすごく優しかったりする。


「・・・ごめんね。せっかく誘ってくれるのに。私、食べないと元気出ないけど、寝不足でも元気出せないんだよねえ」

「まぁそりゃあそうだよな。俺が橘さんの食欲と睡眠欲に勝るわけないよな」


何それ、と笑うと「橘さんのおすすめどれ?」って北山くんが聞くから、北山くんはこれ好きそう、と答えながらローストビーフのサンドイッチを指差した。

北山くんはそのまま何も言わずにそれをカゴの中に入れる。


会計を済ませると、「あんまり俺と油売ってると店長に怒られちゃうね」って私の後ろに視線をやるから、まずいと思って振り返ると案の定店長が腕を組んでこっちを見ていた。


「ごめん、じゃあまた、」


すぐに北山くんに手を振って行こうとすると、上げた手をおもむろに掴まれる。


「ランチがだめなら、ディナーしよ」


ね?って小さく笑うと、またくるねって行ってしまった。

北山くんも一人暮らしだから、やっぱり一人でご飯食べるのは寂しいのかな、そんな事を考えながら、急いで店長の所に戻った。



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ma(プロフ) - 続きが読みたいです!!よろしくお願いいたします。 (2023年3月7日 9時) (レス) id: cb1a0ddf39 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:EM | 作成日時:2017年3月11日 1時

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