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あれから北山くんは何もなかったように今まで通り話し掛けてきてくれた。
いつも通りお昼を一緒に食べて、たまに夜ご飯を食べに行ったりもした。
心底安心した。
ずっとこのまま、友達でいてくれますようにって、無意味でも心からそう願った。
「やっぱ無理っしょ、三つ掛け持ちは」
すっかり常連になった焼き鳥屋さんで食事をしながら、向かい合って座った北山くんが言う。
「さすがに無理だったね、死んじゃうかと思った」
笑いながらやたらと大きいビールのジョッキを手に取ると、空いたお皿を北山くんが横に寄せてくれる。
「ジョッキでかすぎじゃね?Aの顔よりデカくね?」
北山くんはよく「あっあっあっ」て楽しそうに笑うから、なぜかわからないけどその笑い声を聞く度に嬉しくなる。
「いいよ」
ポケットにある携帯が震えて、一瞬そっちの方を見るとそれに気付いた北山くんが優しく言う。
「ううん、大丈夫」
「いいの?」
「うん」
「バイト先じゃない?平気?」
「大丈夫だってば」
思わず強くなってしまった口調に、少し驚いたような北山くんが私を見た。
「ごめん・・・、多分母親かな、今喧嘩中だから話したくないの」
そっか、とそれだけ言うとそれ以上は何も聞かずに、またたわいもない話を始めてくれた。
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ma(プロフ) - 続きが読みたいです!!よろしくお願いいたします。 (2023年3月7日 9時) (レス) id: cb1a0ddf39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:EM | 作成日時:2017年3月11日 1時