検索窓
今日:2 hit、昨日:17 hit、合計:94,382 hit

48 ページ48

.









あれから北山くんは何もなかったように今まで通り話し掛けてきてくれた。

いつも通りお昼を一緒に食べて、たまに夜ご飯を食べに行ったりもした。


心底安心した。


ずっとこのまま、友達でいてくれますようにって、無意味でも心からそう願った。



「やっぱ無理っしょ、三つ掛け持ちは」


すっかり常連になった焼き鳥屋さんで食事をしながら、向かい合って座った北山くんが言う。


「さすがに無理だったね、死んじゃうかと思った」


笑いながらやたらと大きいビールのジョッキを手に取ると、空いたお皿を北山くんが横に寄せてくれる。


「ジョッキでかすぎじゃね?Aの顔よりデカくね?」


北山くんはよく「あっあっあっ」て楽しそうに笑うから、なぜかわからないけどその笑い声を聞く度に嬉しくなる。


「いいよ」


ポケットにある携帯が震えて、一瞬そっちの方を見るとそれに気付いた北山くんが優しく言う。


「ううん、大丈夫」
「いいの?」

「うん」
「バイト先じゃない?平気?」


「大丈夫だってば」


思わず強くなってしまった口調に、少し驚いたような北山くんが私を見た。


「ごめん・・・、多分母親かな、今喧嘩中だから話したくないの」


そっか、とそれだけ言うとそれ以上は何も聞かずに、またたわいもない話を始めてくれた。


.

49→←47



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (102 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
344人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ma(プロフ) - 続きが読みたいです!!よろしくお願いいたします。 (2023年3月7日 9時) (レス) id: cb1a0ddf39 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:EM | 作成日時:2017年3月11日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。