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「・・・何?」



バイトを終えて、携帯が鳴る。
今日ずっと、何度も何度も私を呼んだ番号だった。


「やっと出た」


嬉しそうな第一声に、機嫌が良いんだなって思うと何故か無性に苛立って。


「何?」


なるべく冷たく言うけど、多分、そうした所で相手は何も変わらない。


「バイト終わった?」
「終わりました」
「会いたいな」
「会いたくない」


ふふふ、と会話の脈絡を全く無視して楽しそうに笑う。

藤ヶ谷さーん、と呼ぶ声が後ろの方で聞こえて、それに返事をする声が電話越しに響いた。


「もう行かなきゃ、また電話するね」


それだけ言ってすぐに電話が切れる。また電話しなくていいなんて、返事をする必要もなかった。


『太輔の電話番号は、絶対に登録しないで。かかってきたり、かける度に履歴から消して。』


いつか横尾さんが言っていた言葉を丁度都合よく思い出して、携帯電話を操作する。


『橘さんが携帯落としたら、終わりだから』


それを聞いて怪訝な顔をした私に『もしなんかあれば橘さんに過失があったって事で、そういう対応させてもらうかもしれないんで』と何でもないように答えた横尾さんの顔には、怖いくらいに何の感情も映っていなかった。


その顔を思い出したからなのか、ただ誰かの声を聞きたくなったからなのか、わからないけど、どうしてだろう。

北山くんの声が、無性に聞きたい。




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ma(プロフ) - 続きが読みたいです!!よろしくお願いいたします。 (2023年3月7日 9時) (レス) id: cb1a0ddf39 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:EM | 作成日時:2017年3月11日 1時

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