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お店の外で黒塗りの外車が待ち伏せてることもなくなって、誘拐されてどっかの誰かの馬鹿みたいに広い部屋に連れて行かれることもなくなっていた。
もう一つバイトを増やして、寝る時間は殆どなかった。
それでも、とにかく何かをして目に見えない時間を目で見える何かに変えていかないと不安で仕方がなかった。
「Aちゃんっ聞いて聞いて!来たって、藤ヶ谷太輔っ」
丁度更衣室で着替え終わったところに勢い良くドアを開けて入って来た理子ちゃんが、興奮気味に言う。
「昨日、お昼位に来たんだって、店長が言ってたから間違いない!」
そっか、やっとそう答えると、今日ずっとぼうっとしていた頭が更に重くなる感覚がする。
「・・・Aちゃん?大丈夫?」
「うん、ちょっと、さすがに眠くて。今日はもう帰るね、ごめんね」
送って行こうか?一人で帰れる?って言ってくれる理子ちゃんに、ありがとう、でも大丈夫と返事をして、裏口からお店を出た。
「・・・・・夢?」
少し重いドアを開けると、スーツ姿の横尾さんが立っていて眉をしかめる。
そのまま無視をして、今日はこの後なんのバイトだったっけ・・・と朦朧とする意識の中で考えながら歩き出す。
「・・・夢ですよ、って言いたい所だけど」
後ろから横尾さんに手を掴まれて、振り解こうとするけど上手く力が入らない。
「こんなんじゃ、置いてけないから」
嫌です、そう言いながら肩を引くけど、足下がふらついて、横尾さんめがけて倒れ込んだ所で意識がどこかへ行った。
「・・・・おいおい、寝てんの、かよ」
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ma(プロフ) - 続きが読みたいです!!よろしくお願いいたします。 (2023年3月7日 9時) (レス) id: cb1a0ddf39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:EM | 作成日時:2017年3月11日 1時