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「本当に大丈夫?Aバイト二つもしてるから、過労じゃない?ちょっと寝てく?」


お茶を淹れながら、まるで仲の良い友達に話し掛けるようにそんなことを言っているけれど、この人は全くの他人で、なのに名前以外にも私のことを知っていてこんな風に話しているからやっぱりおかしいって思う。


「はいどうぞ」


お茶とか、淹れられるんですね、って嫌味のつもりで言うと「うん?」って笑いながら私の髪を撫でた。

褒めて、ないのに・・・。

そう言おうとするのを飲み込んで、いっつもこんなことばっかしてるのかなって思うと苦虫を噛み潰したような顔になってしまう。


「不満そうだね。お茶美味しくなかった?シャンパンの方が良かった?」


アールグレイの入ったマグカップをローテーブルに置いて、ソファに座ったまま黙っていた。


「まだ怒ってる?この前の事」


大袈裟な箱に入った小さなチョコレートをひとつ取って、口の中にいれると隣に腰を掛け、私の肩に横から腕を回した。


「ごめんね。でもAのことどうしても欲しくなっちゃったから」


手のひらが肩を撫でて、その手が私の頰を包みそのまま顔を横に向けられると唇が重なり合った。


拒絶する暇もなく自然と薄く開いてしまった唇の隙間から、チョコレートの味がしてくる。



「・・・A」



手を伸ばしてしまったあの瞬間から、もうきっと私は諦めていた。


諦めるようなつもりでいて、きっと私も、どこか求めてしまっていた。




「もう、俺のだから」




苦くて甘い、ストロベリーの味がする。






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ma(プロフ) - 続きが読みたいです!!よろしくお願いいたします。 (2023年3月7日 9時) (レス) id: cb1a0ddf39 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:EM | 作成日時:2017年3月11日 1時

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