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「俺の新たな一面に気づいてくれて何より」
「はい。輝いていて素敵でした」
「もう俺に完堕ちでしょ？」
彼の今の言い方は本気じゃない。
ちょっとふざけたようなノリの良い感じだったのに、私は上手い返しができず曖昧に微笑んだ。
その微妙な表情を見て彼が、どうしたの？と聞く。
「…恋愛ドラマをするのは、楽しいですか？」
ライブ映像の話から飛躍した脈絡ない質問に、一瞬彼がたじろぐ。
「え、ドラマ？
楽しい…まぁお芝居は楽しいからね。
仕事自体楽しいから、ありがたくさせてもらってるって感じだけど…
恋愛ドラマだから楽しいとか、そういう感覚ではないかな。
お芝居の仕事が楽しい、っていう言い方が正しいかも」
「そう、なんですね。これからもドラマの撮影頑張ってください。じゃ、お疲れ様です」
どうにかドラマの撮影お疲れの挨拶ってことに話を結びつけた。
「お、おう。おつかれ」
軽く会釈し、くるりと彼に背を向けたのだが、ぱしっと手首を掴まれた。
「…なに？なんかあった？」
「なんにもないです」
「いや、嘘でしょ。様子おかしくない？
何かあるなら言ってよ。気になるし」
彼はいつもまっすぐ想いを伝えてくれていたのに、自分だけはぐらかして去るのは誠実ではないな、と思った。
ただ振り向いて話すことはできずに、背を向けたまま口を開いた。
「…めっちゃ」
「めっちゃ？」
歯切れの悪い私の言葉を彼が繰り返す。
「…すごく…」
「すごく？」
「…すごくたくさんキスするんですね。女優さんと」
「あー、まー。それは、ね」
「こんなにするんだ〜って思っただけです。
でも恋愛ものなら当たり前ですよね」
「………まさか妬いた？」
「わかんないです」
「え。めっちゃ、嬉しいんですけど」
「妬いてるなんて言ってません」
からかわれると思って振り向いた先の菊池さんは存外優しい目をしていて、からかっている様子はなかった。
「Aちゃん。今度また、一緒にお肉食べよっか」
久しぶりのお誘いだった。
「え…どこで？」
「俺の家で。早く終わる日確認して連絡すんね」
食べようかの誘いに、うん、なんて返事はしていないのに、彼の家で肉会が開催されそうな運びになっている。
でも、もうそれでいいと思った。
私の手首に触れる彼の大きな手に胸が苦しくなっている自分がいる。
私の牙城は自分が思っていたよりずっと脆く、いつの間にか私は菊池風磨に陥落していた。
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にこ(プロフ) - こうこさん» コメント気づかずすみません！私もリアル設定大好きです〜♡いいですよね♡楽しんでいただけたようで光栄です。こうこさんはお話の続きは書かないのですか？お話思いついたら別のお話でもいいので連載してほしいです🥹 (12月16日 21時) (
レス) id: aba4acfcad (このIDを非表示/違反報告)
こうこ(プロフ) - 私も少しだけ書いていますが、リアル設定大好きです♡とっても楽しくキュンキュンさせてもらいました♡またリアル設定お願いします♡ (11月29日 20時) (レス) @page37 id: 65539e8dba (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - 葵さん» きゅんきゅんしたという感想はめっちゃ嬉しいです☺️書いてよかったなと思います。楽しんで頂けたようで安心しました！最後までお付き合い下さりありがとうございました♡ (10月13日 19時) (レス) @page37 id: d06ef4e68f (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 最後まで楽しませていただきました😆きゅんきゅんが凄かったです！本当に尊敬です🙏更新お疲れ様でした！！ (10月13日 16時) (レス) @page37 id: b646f7c03f (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - yukiさん» こちらこそお読みいただきありがとうございます🥺最後まで楽しんでいただけるよう頑張ります！コメントありがとうございました💕 (9月30日 12時) (レス) id: d06ef4e68f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にこ
| 作成日時：2023年9月24日 12時
