[doll]⑥登坂広臣 (ページ36)

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広臣side ページ36

※

「ばかA」

俺には無理。

アオイさんみたいにかっこよくはなれねー。

八つ当たり気味にそう言うと、腕の中で笑うAが"ごめんごめん"って言っている。

「仕事忙しかったの？」

「ちょっとね、頑張ってきたよー」

「ライン、少なすぎ」

「え？そうだった？」

もっと連絡してって言うのはさすがに女々しいけど、でも繋がりを持っていたいっていう独占欲。

それから俺だけの特別感も欲しかったわけで。

「これからはもっとマメに連絡するね？」

そう言って俺の胸元に顔をぐりぐり押し付けてきて。

急に甘えたモード。

最初っからこれぐらい甘えてこいっつーのって言おうとした俺より少し先に。

めっちゃカワイイ声で。

「…会いたかった」

って。

本当にこの子は何の前触れもなくデレを見せるから

俺の心臓が止まりかけた。

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